講演内容引用禁止
開催日 | 2012年1月27日 |
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スピーカー | 徳生 健太郎 (グーグル(株)アジア太平洋地域 地理製品開発本部長) |
モデレータ | 西垣 淳子 (RIETI上席研究員(兼)研究コーディネーター(政策史担当)) |
開催案内/講演概要 | 今回のトークでは、Googleのイノベーションを支える8つの理念を、東日本大震災の際に展開したCrisis Response (災害対応)サービスや、通常の製品開発の裏話などを織りまぜながら紹介します。 |
議事録
※講師のご意向により、掲載されている内容の引用・転載を禁じます
1. A mission the matters 意義のあるミッションを掲げる
Organize the world's information and make it universally accessible and useful. Googleの使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること。
このミッションはグーグルの創業当時からあるものですが、その本当の意義を社員1人ひとりが認識していれば、自分がいま何をすべきか、上司に言われるまでもなく自然とわかってくるものです。
2. Think big but start small 志は大きくとも、とにかく小さいことから始めよう
大きいことを最初から全部成し遂げようとすると、ゴール設定が難しくなったりモラルが下がったりします。Google Booksも元々は創業者が市販のスキャナーで本を1ページごとにスキャンしながらの試みから始まりました。とりあえずできるところから創造の試みを繰り返すことが大事。
3. Continual innovation, not instant perfection 最初から完璧を極めるのではなく、創造を繰り返し続ける
最初から製品が完璧なものを送り出そうとすると、時間がかかり過ぎ、本来のユーザーにとっての問題などを早く感知することができなくなる。価値が出るものができたら、とりあえずやってみてその仮定で創造を続けていく。
4. Ideas come from everywhere アイディアはどこからでも生まれてくる
商品開発はエンジニアだけが考えるものではなく、日本やアメリカだけが考えるものでもなく、あらゆる部署、あらゆる地域でユーザーのニーズをうまく摘みとって具現化していくという理念です。
5. Share everything 徹底的な情報共有
たとえば、週に一度、共同創設者のラリーとサーゲイが壇上に立ちミーティングが行われます。質疑応答では、マイクを使用して直接話すこともできます。このように、3万人以上の社員が創設者たちと直接対話できることが、会社をフラットにし、価値を共有するために一番役に立っていると思います。
6. Data drives decisions データに基づく判断を重視する
最終的に何がいいかを判断するのは、社内の主観ではなくユーザーだということです。
7. 20% Time
おもにエンジニアが、自分の仕事の時間のうち20%は本業以外の好きなことをします。システムにあそびを持たせ、リスクの小さい環境で試行錯誤を繰り返させることにより、イノベーティブなことができるのではないかと考えています。
8. Be a platform プラットフォームであれ
いくら大きな会社であっても1社でできることには限界がありますから、技術をプラットフォームとして提供することにより、その上に様々な開発者が加わり、ユーザーに対する価値あるサービスをつくってもらっていこうという考え方です。
この議事録はRIETI編集部の責任でまとめたものです。