政策シンポジウム他

難航するWTO新ラウンドの打開に向けて-多角的通商体制の基本課題と我が国の進路-

イベント概要

  • 日時:2005年7月22日(金) 9:30-18:25
  • 会場:霞が関東京會舘 ロイヤルルーム (東京都千代田区霞が関3-2-5霞が関ビル34階)
  • 開催言語:日本語⇔英語(同時通訳あり)
  • RIETIは、2005年7月22日終日、東京、霞が関東京會館において政策シンポジウム「難航するWTO新ラウンドの打開に向けて:多角的通商体制の基本課題と我が国の進路」を開催した。難航するWTO新ラウンドの打開を目指して、1)多角主義と地域主義との関係、2)WTO機構の強化、3)通商政策決定の国内プロセス、4)WTOとグローバル・ガバナンスという基本課題について、国際経済学、国際政治学、国際法学の専門家による学際的な検討がなされ、我が国の新ラウンドでの基本姿勢と貢献のあり方について議論が行われた。

    パネルディスカッション:「新ラウンドの推進に向けて我が国のとるべき進路」

    まず上田英志経済産業省通商政策局通商機構部参事官から交渉の現状および見通しについて以下の報告がなされた。

    1. ドーハ・ラウンドは1999年11月のシアトルにおけるラウンド立ち上げ失敗後、9.11事件の影響もあり2001年11月に立ち上がった。その後は交渉が進展するときと進展しないときと、その時々によって随分変わってきているとの印象がある。
    2. 2003年9月カンクンにおいて枠組み合意の締結が試みられたが失敗した。このときの争点の1つとしてシンガポール・イシュー、すなわち投資や競争等の新4分野の問題があったが、これについては途上国から相当の反対があった。結局2004年7月の一般理事会で枠組み合意が成立したが、その背景には貿易円滑化をのぞくシンガポール・イシューを議題から外すという先進国側の譲歩があった。
    3. その後しばらく静かに技術的な交渉が重ねられてきたが、今年1月ダボスで非公式会合が開かれ、2006年中の交渉終結を目指すべき旨、今年12月の香港閣僚会議で第1次案を発出するよう努力すべき旨、また農業、非農産品市場アクセス(NAMA)、サービス、途上国問題、そしてアンチ・ダンピング等のルール問題に注力すべき旨決定された。その後3月、5月に閣僚会議を続け今日に至っている。
    4. 2005年12月の香港閣僚会議で関税引き下げ方式等の枠組みについて合意し、さらにそれに基づいて個別の交渉を行って、最後2006年の終わりに一括受諾で交渉を妥結することが意図されている。現在は香港閣僚会議に向けて関税引下げ方式やサービス交渉のためのモダリティ、またアンチ・ダンピング等のルール改善交渉のためのテキスト改正文の準備が進められている。
    5. NAMAについては今年のダボス会合において、アメリカのゼーリック代表がスイス・フォーミュラを採用しつつ先進国と途上国で係数を分けることもありえるのではないかとの提案をした。これについては当初先進国の間で譲歩を急ぎ過ぎているのではないかとの議論もあったが、実際には一石が投じられた結果、議論が進展し、日本もアジア諸国に対してスイス・フォーミュラを支持すべき旨訴えていった。先週大連において世界全体の中から30カ国ほど集まり非公式閣僚会議が開かれたが、ここにおいてもアフリカ諸国をはじめとしスイス・フォーミュラ支持の広がりが確認された。一方、アルゼンチン、ブラジルおよびインド等は依然ジラール・フォーミュラの採用を主張している。
    6. 農業分野については技術的な課題について交渉が続けられ、パリの非公式閣僚会議では従量税から従価税への変更というテクニカルな問題について合意が成立した。さらに大連では市場アクセスについてスイス方式とウルグアイ・ラウンド方式の中間点を探るとのことで農業輸入国と農業輸出国との間に歩み寄りがみられ、この方向で7月末に向けさらに議論し合意を探るべき旨の結論が得られた。市場アクセス、輸出競争、国内支持の3分野のうち、輸出競争についてはかなり議論が進んでいるが、市場アクセスと国内支持に関していかなる歩み寄りが見られるかが、結局他の部門における交渉進展の鍵をとなっている。

    次に小寺彰RIETIファカルティフェロー・東京大学大学院総合文化研究科教授から以下の総括および問題提起がなされた。

    1. 本日の議論の中で浮かび上がってきたことは、いわゆるスモール・パッケージがよいのではないか、すなわち今回は交渉の内容は小さくするのが望ましいのではないかということ。自転車理論の観点から交渉内容を便宜的に限定すべきという議論は従来からなされてきたが、本日の議論ではより積極的な理由でスモール・パッケージがよいという論調であったと考えられる。具体的には、石川教授はFTAとWTO、すなわちマルチラテラリズムとリージョナリズムの役割分担という点について議論し、山本教授はグローバル・ガバナンスという観点から包摂的な原理を形成するということは実際的でなく、できる範囲のことを達成していくということが現実的でかつ望ましいのだと指摘した。さらに原理に関する役割分担の問題のみならず、誰が決定するのかという点で役割分担をすることも十分ありうる。この点WTOの紛争処理手続についても、ダンピングなどの特定の分野に紛争が集中することによってその分野における紛争処理の効率性が増大しているという側面がある。我々はややもすると高水準で包括的な自由化が望ましいと直感的に考えるが、国際的には地方分権というもう1つの潮流もある。その意味でどのレベルで決定するのかという問題も役割分担を考える際の1つの要素である。
    2. 石川教授に対しては、FTAとWTOの役割分担はより一般的にいかなる基準で考えられるかという問題を提起する。
    3. デスラー教授に対しては、パッケージの大小とアメリカ通商政治の難易の関係、特に同教授が提唱するソーシャル・コンパクトの実現性とパッケージの大小の関係という問題を提起する。
    4. 山本教授に対しては、国家とグローバル・ガバナンス、つまりグローバル・ガバナンスにおける国家の役割という問題を提起する。
    5. 上田参事官には3教授の回答を受けて実務に携わっている立場からのコメントを依頼する。

    以上の問題提起に対してまず石川城太RIETIファカルティフェロー・一橋大学大学院経済学研究科教授から以下の回答がなされた。

    1. WTOとFTAの役割分担の前提条件として、FTAの規律がしっかりしている必要がある。
    2. まず、農業については多くのRTAにおいて複雑かつさまざまな例外措置が含まれており、そのような例外措置をつくらない意味でもマルチの中で交渉していくべきだと考える。
    3. 次に、投資、競争、知的財産の問題をどちらで取り扱うべきかというのは非常に難しい問題。RTAで扱うにしてもそれがデファクト・スタンダートとして拡大していくような単純で明確なルールをつくる必要がある。
    4. また、財に関してはWTOの方で進展しており、そちらの方で引き続き取り扱われていけばよい。
    5. 最後に、一般的な役割分担の基準という問題については、マルチを補完するという形でRTAをつくりそれがデファクト・スタンダードとしてグローバルに拡大していくという前提が満たされるのであれば、RTAで扱うという選択肢も当然あるだろう。

    次にI.M.デスラー米メリーランド大学公共政策大学院教授から以下の回答がなされた。

    1. スモール・パッケージ対ラージ・パッケージの問題について、スモール・パッケージの方が締結が容易であるとする議論に反論することはある意味で非常に困難である。極論すれば何にも合意する必要がなければ合意はすぐに達成されるからである。しかし、スモール・パッケージにもコストはある。たとえば投資が議題から外されたことで、ラウンドに対する日本のビジネス界の熱意が失われたというように、議題を狭めることによってそれに対する支持も狭めてしまうという危険性があるからである。
    2. 石川教授が回答したFTAとWTOの役割分担の問題に関して少し補足すると、なぜ米州自由貿易地域(FTAA)が成立しないのかという問題の背景にはFTAにおいて農業分野を扱うことが不可能であるとの認識がある。つまりヨーロッパや日本等から大きな譲歩を得ることなしにアメリカが農業分野において譲歩することはありえないというわけである。
    3. 最後にソーシャル・コンパクトに関する質問であるが、これはドーハ・ラウンドとスケジュールを合わせるものとして提案したわけではなく、その実現にはより長い年月が要されるものと考える。ただし、もしその実現に向けて前進することができるとすれば、支持拡大や超党派的協力の一助となり、ひいてはドーハ・ラウンドの助けとなるかもしれない。

    さらに山本吉宣青山学院大学国際政治経済学部教授から以下の回答がなされた。

    1. まず第1に、一般的にグローバル・ガバナンスと国家の関係をどのように考えるかという問題については、グローバル・ガバナンスと国家との関係をゼロ・サム的に考えれば、グローバル・ガバナンスが強くなるほど国家の主権が失われていくということになる。ただし自分の立場はグローバル・ガバナンスを貿易の安定や自由な制度等を提供するある意味での公共財としてとらえるもので、それを国家がつくり、維持し、享受していくという共存の関係にあるものと考えている。
    2. 次に、国家とグローバル・ガバナンスとの役割分担がいかになされるべきかという問題については、分野によって大きく異なるものと考える。たとえば開発の問題については、それぞれの政府がそれぞれの開発政策というものを考えて、有効な政策を展開することが非常に重要であると考えられる。一方、環境の問題はその中間であって、グローバルな気候変動レジームをつくりそれを遂行するという場合もあれば、対象によってはそれぞれの国家が独自に扱うことが基本となることもある。その意味で政策の代替可能性はかなり個別に考える必要があり、グローバル・ガバナンスですべて解決するというのはありえないこと。
    3. 最後に国家としてグローバル・ガバナンスとの役割分担をいかに考えるべきかという問題については、日本に関していえばまず日本国内で努力するということが必要であると考える。その上で地域で対応することも、グローバルに対応することも日本国内の自由化を図る1つの手段としても位置づけられ、したがって国家か、地域か、グローバル化という問題は目的に沿って組み合わせるというのがどの国においてもみられること。

    以上の問題提起および回答に対して上田英志経済産業省通商政策局通商機構部参事官から以下のコメントがなされた。

    1. 小寺教授が指摘したスモール・パッケージがよいとの指摘について、経験からいえばドーハ・ラウンドに対する各国の期待はかなり収斂されてきているように感じる。むしろデスラー教授の指摘のとおり、これ以上目標を絞り込むと産業界の関心がまったく失われてしまうのではないかという懸念がある。ただし、148カ国間の意思決定というのは非常に困難で少数国間のステアリング・グループをつくって議論を進めていくことは必要であると考える。
    2. FTAとWTOの関係について、マーケットアクセスに関してはその両方ともそれぞれいいところを競争的に伸ばしていくということでよいのではないか。たとえばメルコスールとEUとの交渉あるいはFTAAの交渉をみても、FTAの交渉にも非常にコストがかかるという面がある。
    3. WTOとして最終的に重要であるのは紛争処理の問題である。国家とグローバル・ガバナンスの問題という問題提起があったが、WTOが唯一信頼できるグローバルな手段が紛争処理であると思われる。そのためにもドーハ・ラウンドを成功させてその間に政治的な関与を各国が保つという自転車理論の観点が必要であると思われる。

    会場から「石川教授から投資や知的財産、競争などは地域協定を拡大することで、デファクト・スタンダードでWTOにつなげていくとの議論があったが、たとえば競争についてアメリカが共助協定を結んでいる途上国はブラジルとイスラエルくらいのもので、これらシンガポール・イシューについてもWTOの交渉妥結により力を注ぐべきではないか」との質問がなされ、これに対して石川城太RIETIファカルティフェロー・一橋大学大学院経済学研究科教授から以下の回答がなされた。

    1. 現実としてWTOにおける交渉が困難であるからRTAを通じたデファクト・スタンダードの形成も1つの選択肢であろうと述べたまで。これらの問題が特に困難であるのは従来WTOが国境措置を対象としてきたのに対して、競争や知的財産といった問題は国内政策にまで踏み込んでいく必要があるという点。

    会場から「スモール・パッケージが望ましいとする小寺ファカルティフェローの指摘について、各国がそれぞれの経済的な関心から大事な事項を議題に押し込み、そうでないものを外そうとするということ自体まさに交渉そのものではないか。その点日本としては投資が議題から外されたことは非常に残念であったと思う」との質問、コメントがなされ、これに対して小寺彰RIETIファカルティフェロー・東京大学大学院総合文化研究科教授から以下の回答がなされた。

    1. スモール・パッケージが望ましいと述べたのはある意味で補助線であり、それに対していかなる反論が出るかを期待したもの。もともとのビルト・イン・アジェンダであった農業とサービスから交渉範囲を広げることで日本のインセンティブを高め、ラウンドからの日本の利益を高めるよう努力したことは正しいこと。重要であるのはラウンドが1回限りで終わるものではないということで、今回議題から外された投資についても今回の経験が今後実を結ぶことを期待する。

    会場から「山本教授はグローバル・ガバナンス化を3つの軸で示し、その1つとして方法の多様化という問題を指摘したが、リーガライゼーションという概念はその枠組みにおいていかに位置づけられるか」との質問がなされ、これに対して山本吉宣青山学院大学国際政治経済学部教授、I.M.デスラー米メリーランド大学公共政策大学院教授、小寺彰RIETIファカルティフェロー・東京大学大学院総合文化研究科教授からそれぞれ以下の回答がなされた。

    1. (山本教授)WTO紛争処理というのは、アメリカの単独主義的な行動を抑えている、WTOを非常に予測可能性の高いシステムにしたといった点でプラスの意味が非常に強いものであると考えているが、問題は自由貿易だけでなく開発等の問題が生じた場合さまざまな政策手段が必要となってくるため、純粋に貿易ではない問題に対してもう少し柔軟な装置をつくっていく必要があるのではないかということ。
    2. (デスラー教授)WTOには非常に効率的な司法プロセスとあまり効率的でない立法プロセスという不均衡が存在し、そのために司法プロセスが貿易外の政策分野に介入する、あるいは加盟国が遵守可能な範囲を超えた貿易の定義がなされるといった構造的な危険性が存在すると考えられる。
    3. (小寺ファカルティフェロー)紛争処理手続の判断が守られているか、守られていないかが重要であると考えればいいのではないか。そしてそれを前提に危険性が大きくならないよういろいろ考えていく必要があるし、パネリスト、上級委員会もそれなりのハンドリングをしていく必要があるだろうと思う。

    会場から「本ディスカッションのテーマである『日本はどうあるべきか』という点についてもう少しはっきりしたメッセージはないか」との質問がなされ、石川城太RIETIファカルティフェロー・一橋大学大学院経済学研究科教授、小寺彰RIETIファカルティフェロー・東京大学大学院総合文化研究科教授からそれぞれ以下の回答がなされた。

    1. (石川ファカルティフェロー)自分の主張はかなり明確。日本は貿易立国であってラウンドを成功させることによって大きな利益を得る。そのためには何をしなければならないかは明らかであって、それは農業分野で譲歩するということ。経済学的な観点からいえば農業の保護は補助金でやるべき。また米やコンニャクイモについてそれぞれ490%、990%といった関税をかける必要はない。さらに農業関係者には関税によってどの程度保護されているかといった意識が欠如しているため、そのことに関する啓蒙も必要であると考える。
    2. (小寺ファカルティフェロー)原則として絶対に自由化する必要があるし、また今回のラウンドは成功させなければならない。ただし農業問題についても最大の論点は輸出補助金や国内支持の問題で、日本の場合補助金がほとんど無いのでその意味で中立的な立場にある。そのような状況下においては、たとえば米やコンニャクイモの高関税をむしろ交渉材料とする形で交渉を成功裏に導くようにリードしていくといった立場が本来最も望ましいと考える。

    会場から以下の質問がなされた。

    1. デスラー教授が提唱する「新ソーシャル・コンパクト」は日本にとっても必要であるか、必要であればどのようなものが望ましいか。
    2. 山本教授から強い国連といったものよりWTOや世銀等による分権的な役割分担が望ましいとの議論があったが、国連貿易開発会議(UNCTAD)とWTOの関係の変化といった観点も含めて、経済全般について国連とその他の機関の分業体制をどのように考えているか。
    3. 本シンポジウムでは新ラウンドの打開に関して非常に明るい道筋が見えてきたかの印象をうけるが、広く日本政治全般あるいは世界の政治をみると、新ラウンドの打開はそれほど容易ではないのではないか、まだ乗り越えなければならない障害はたくさんあるのではないかと感じる。この点について政治学者の目から山本教授はどのように考えるか。
    4. 上田参事官からやはりステアリング・グループをつくって交渉を進めていく必要があるのではないかとの指摘があったが、そのようなグループは実際どのように形成されるのか、あるいは形成されていったらよいのか。

    以上の質問に対してI.M.デスラー米メリーランド大学公共政策大学院教授、山本吉宣青山学院大学国際政治経済学部教授、上田英志経済産業省通商政策局通商機構部参事官からそれぞれ以下の回答がなされた。

    1. (デスラー教授)実証的研究の結果、たとえば農業自由化が所得分配の点で悪影響を及ぼすのであれば日本においても「新ソーシャル・コンパクト」のような解決策が必要であろうし、そうでないのであれば必要ないということであろう。
    2. (山本教授)国連とGATTあるいはIMFや世銀の関係について、90年代前半のグローバル・ガバナンスの考え方はもともと開発や環境といった問題を強い国連に持っていくという趣旨であったと考えるが、現実にはUNCTADやグループ77の力が非常に強く、それがGATTにも及んで70年代に一般特恵関税等が導入されたと考えられる。しかし、現在はUNCTADの力が弱まってWTOの中で途上国がいろいろなコアリションを組んで自分達の要求を出すという形になっており、国連とはほとんど無関係にそれら活動がなされているというのが現状認識。新ラウンドの行方については、公平性といった規範を担うNGOが非常に重要になってきて、その影響力が増大しているのは確かであるが、国家間でしっかりとした合意ができればそちらの方を優先するのが現状ではないかと考える。そのためドーハ・ラウンドにおいても国家間にかなり強い合意があれば新ラウンドは妥結するのではないか。
    3. (上田参事官)開発の問題に関して、G8における議論あるいはドーハ・ラウンドにおける議論から、途上国の開発に対する貿易自由化の重要性については認識が共有されてきているように感じられる。またステアリング・グループに関する質問については、たとえば去年7月くらいから農業問題を対象とし、豪州、EU、ブラジル、アメリカ、インドからなるFipsというグループが形成された。これは非公式なものではあったが、衆目の集まる状況下で事実上の交渉が行われていた。このFipsについては、NAMAであるとか総合的な全体としてのパッケージを考えたときFipsだけで十分かどうか、あるいはEU等が入っているだけで輸入国の利益が擁護されるかといった議論があって、日本などを含めて参加国を広げるべきではないかとの議論が進行している。また、これらの国々についてもまったく歩み寄る姿勢というものがなければ交渉から外されてしまう可能性もあるわけで、その意味で一定の競争が働いているという側面もある。