データ・統計
JIPデータベース2013
日本産業生産性(JIP)データベース2013について
経済産業研究所(RIETI)の「産業・企業生産性向上」プログラムの「東アジア産業生産性」プロジェクトでは一橋大学経済研究所と協力して、日本の経済成長と産業構造変化を分析するための基礎資料である、日本産業生産性データベース(Japan Industrial Productivity Database、以下ではJIPと略記)の改訂と更新を進めてきた。今回このウェブ・ページで公開するのは、JIP 2013(2013年11月30日)である。JIP 2013は、1970年から2010年に関する、各部門別に全要素生産性(TFP)を推計するために必要な、資本サービス投入指数と資本コスト、質を考慮した労働投入指数と労働コスト、名目および実質の生産・中間投入、TFPの上昇率を計算した成長会計の結果、などの年次データから構成されている。
今回の更新はいわば「簡易延長」であり、JIP 2012(2012年11月30日付)と比較すると、カバーする期間は2010年までと1年分延長されたが、推計の基本的な方法や部門数(日本経済全体をカバーする108部門 [PDF:125KB])は変更していない。またコントロール・トータルには、JIP 2012と同じく平成12年基準国民経済計算を使用している。2010年の数値については、国民経済計算(平成17年基準)ではFISIMなどが導入されるなどの変更が行われているが、現状では1970年まで遡及が困難であるため、平成12年基準の系列を平成17年基準系列で簡易延長して推計している。推計方法や部門数は、総務省の最新の産業連関表・接続表(平成12-17-22年接続産業連関表)が公表されると見込まれる2016年頃に再検討する予定である。推計方法の変更点の詳細は「推計方法」を参照されたい。
2008年9月に米国の投資銀行、リーマン・ブラザーズが破綻したことに端を発した世界経済危機以降、日本経済は多くの試練に直面して来た。今回公開するJIP 2013は、この危機後の回復期を一部をカバーすることになる。世界経済危機以降、TFPや雇用がどのような動きをしたかは世界の多くの研究者の関心を集めているが、JIP 2013がこの時期の生産要素投入構造や生産性の変化に関する研究にも寄与できれば幸いである。
以下では利用者の便宜のため、JIP 2006最終版のウェブ・ページに掲載していた解説を転載するが、推計方法の詳細については、深尾京司・宮川努(編)『生産性と日本の経済成長:JIPデータベースによる産業・企業レベルの実証分析』東京大学出版会、2008年3月を参照されることをお薦めする。
産業連関表
- 松浦 寿幸 (慶應義塾大学産業研究所専任講師)
- 水田 岳志 (RIETIリサーチアシスタント)
- 金 榮愨 (専修大学経済学部准教授)
- 権 赫旭 (日本大学経済学部教授/RIETIファカルティフェロー)
- 深尾 京司 (一橋大学経済研究所教授/RIETIファカルティフェロー)
資本
- 宮川 努 (学習院大学経済学部教授/RIETIファカルティフェロー)
- 乾 友彦 (日本大学経済学部教授/RIETIファカルティフェロー)
- 比佐 章一 (横浜市立大学国際総合科学部国際経営コース准教授)
- 佐藤 秀保 (東京大学大学院/RIETIリサーチアシスタント)
労働
- 徳井 丞次 (信州大学経済学部教授/RIETIファカルティフェロー)
- 牧野 達治 (一橋大学経済研究所COE研究員/RIETIリサーチアシスタント)
付帯表
- 伊藤 恵子 (専修大学経済学部教授):職種別従業者数割合
- 乾 友彦 (日本大学経済学部教授/RIETIファカルティフェロー):規制指標
- 松浦 寿幸 (慶應義塾大学産業研究所専任講師):対外直接投資統計
- 清田 耕造 (慶應義塾大学産業研究所教授/RIETIファカルティフェロー):相手国別財貿易統計
- 田中 清泰 (アジア経済研究所新領域研究センター研究員):主要相手国・地域別サービス貿易シェア・対外直接投資統計
無形資産投資・ストックデータ(科学技術研究費基盤研究(S)「日本の無形資産投資に関する実証研究」プログラムとの共同研究成果)
- 宮川 努 (学習院大学経済学部教授/RIETIファカルティフェロー)
- 比佐 章一 (横浜市立大学国際総合科学部国際経営コース准教授)
推計システム
- 阿部 武司 (RIETI)
- 人見 和也 (RIETI)
なお、推計作業に当たっては、旧版のJIPデータベース(JIP 2003)推計を行わせていただいた内閣府経済社会総合研究所(ESRI)から全面的な支援を得ることが出来た。深く感謝したい。
JIP 2013の特徴としては、JIP 2011と同じく、1)公共財としてデータベースおよびその基礎データを原則として全て公開、2)コントロール・トータルには原則として平成12年基準国民経済計算を使う、3)EU主要国、米国、韓国等について産業別に全要素生産性の推計を行ってきたEU KLEMSプロジェクトの後継プロジェクトである国際産業連関表データベース(WIOD)プロジェクトやアジアKLEMSプロジェクト、ハーバード大学を中心とするWorld KLEMSプロジェクトに参加し、日本を含めた生産性絶対水準の国際比較を可能にする、等があげられよう。
深尾 京司
宮川 努
推計方法について
JIPデータベースの作成方法については、以下の資料を参照されたい。
- JIP 2006解説編
- 深尾京司・宮川 努/編『生産性と日本の経済成長:JIPデータベースによる産業・企業レベルの実証分析』(東京大学出版会)
- JIP 2006以降の産業連関表データの推計方法の変更点 [PDF:116KB]
- JIP 2006以降の労働データの推計方法の変更点 [PDF:115KB]
データのご利用にあたって
データをご利用の際は、出所として、経済産業研究所JIP 2013データベースを利用した旨、明記して頂くようお願いします。また、本データを利用して論文を作成・発表される場合、差し支えなければ、コピーを一部お送りいただけるようお願いします。
お問い合わせ
一橋大学経済研究所JIPデータベース室
e-mail:jip-info@ier.hit-u.ac.jp
生産性Q&A
データ・ダウンロード
Microsoft Excelをお持ちでない方は、マイクロソフトより無償で提供されるExcel Viewerをインストールすることで閲覧や印刷ができるようになります。
1. 産業連関表
13年12月13日更新
1) 部門別産出額・中間投入額 (名目) [XLSX:131KB]
13年12月13日更新
2) 部門別産出額・中間投入額 (実質) [XLSX:130KB]
13年12月13日更新
3) 内生部門中間投入行列 (名目) [XLSX:5.68MB]
13年12月13日更新
4) 内生部門中間投入行列 (実質) [XLSX:5.68MB]
13年12月13日更新
5) 粗付加価値額内訳 [XLSX:252KB]
13年12月13日更新
6) 部門別項目別最終需要 (名目) [XLSX:318KB]
13年12月13日更新
7) 部門別項目別最終需要 (実質) [XLSX:320KB]
2. 資本
13年12月13日更新
1) 投資データ [XLS:732KB]
- i) 部門別名目投資フロー (100万円)
- ii) 資産別名目投資フロー (100万円)
- iii) 部門別実質投資フロー (100万円、2000年価格)
- iv) 資産別実質投資フロー (100万円、2000年価格)
- v) 部門別資本投入指数 (2000=1.000)
- vi) 部門別資本の質指数 (2000年=1.000)
- vii) 部門別実質純資本ストック 年平均成長率 (%)
- viii) 部門別実質純資本ストック (100万円、2000年価格)
- ix) 資産別実質純資本ストック (100万円、2000年価格)
- x) 名目資本コスト (名目資本サービス価格*実質資本ストック)、単位:100万円
13年12月13日更新
2) IT投資データ [XLS:712KB]
- i) 名目IT投資フロー
- ii) 実質IT投資フロー
- iii) 名目IT投資フロー (ハードウエア)
- iv) 実質IT投資フロー (ハードウエア、2000年価格)
- v) 名目IT投資フロー (ソフトウエア)
- vi) 実質IT投資フロー (ソフトウエア)
- vii) IT資本ストック
- viii) 非IT資本ストック
3) 投資・資産マトリックス
13年12月13日更新
i) 名目投資マトリックス [XLS:2.75MB]
13年12月13日更新
ii) 実質投資マトリックス [XLS:2.8MB]
13年12月13日更新
iii) ストック・マトリックス [XLS:2.83MB]
3. 労働
13年12月13日更新
1) 部門別労働投入指数 [XLS:110KB]
13年12月13日更新
2) 部門別労働投入指数 期間別平均成長率 [XLS:60KB]
13年12月13日更新
3) 部門別マンアワー指数 (2000年=1.000) [XLS:110KB]
13年12月13日更新
4) 部門別マンアワー指数 期間別平均成長率 [XLS:60KB]
13年12月13日更新
5) 部門別労働の質指数 (2000年=1.000) [XLS:126KB]
13年12月13日更新
6) 部門別労働の質指数 期間別平均成長率 [XLS:60KB]
13年12月13日更新
7) 部門別従業者数 (人) [XLS:113KB]
13年12月13日更新
8) 部門別マンアワー (従業者数×従業者一人あたり年間総実労働時間÷1000) [XLS:110KB]
13年12月13日更新
9) 部門別名目労働コスト (100万円) [XLS:110KB]
13年12月13日更新
10) 女性比率 [XLS:50KB]
13年12月13日更新
11) パートタイム労働者比率 [XLS:50KB]
13年12月13日更新
12) 55歳以上労働者比率 [XLS:50KB]
4. 成長会計 [ZIP:1.99MB]
13年12月13日更新
- 1) シート名一覧
- 2) 集計部門の定義
- 3) 実質産出 (100万円、2000年価格)
- 4) 実質産出伸び率
- 5) 名目産出 (100万円)
- 6) 中間投入指数 (ディビジア指数、2000年=1.000)
- 7) 実質中間投入 (単純集計、100万円、2000年価格)
- 8) 名目中間投入 (100万円)
- 9) 名目付加価値 (100万円)
- 10) 実質付加価値 (100万円、2000年価格)
- 11) 労働投入指数 (ディビジア指数、2000年=1.000)
- 12) 名目労働コスト (100万円)
- 13) 労働の質指数 (2000年=1.000)
- 14) マンアワー指数 (2000年=1.000)
- 15) 資本サービス投入指数 (ディビジア指数、2000年=1.000)
- 16) 名目資本サービス (名目資本サービス価格*実質資本ストック、100万円)
- 17) 資本の質指数 (2000年=1.000)
- 18) 実質資本ストック指数 (2000年=1.000)
- 19) 生産要素別コストシェア
- 20) 産業別TFP
- 21) 各生産要素の寄与 (付加価値ベース)
- 22) 各生産要素の寄与 (産出ベース)
- 23) 成長会計 (付加価値ベース)
- 24) 成長会計 (産出ベース)
- 25) TFP上昇率の推移 (付加価値ベース)
5. 付帯表
13年12月13日更新
1) 職種別従業者数割合 (1980-2010年) [XLSX:339KB]
6.無形資産投資・ストックデータ [XLSX:436KB]
- 1) 名目無形資産投資 (100万円)
- 2) 名目情報化資産投資 (100万円)
- 3) 名目革新的資産投資 (100万円)
- 4) 名目経済的競争力投資 (100万円)
- 5) 実質無形資産投資 (100万円、2000年価格)
- 6) 実質情報化資産投資 (100万円、2000年価格)
- 7) 実質革新的資産投資 (100万円、2000年価格)
- 8) 実質経済的競争力投資 (100万円、2000年価格)
- 9) 無形資産ストック (100万円、2000年価格)
- 10) 情報化資産ストック (100万円、2000年価格)
- 11) 革新的資産ストック (100万円、2000年価格)
- 12) 経済的競争力ストック (100万円、2000年価格)
7. 産業コード対応表
8. データファイルの一括ダウンロード
13年12月16日更新
変数表 [XLSX:26KB]
13年12月16日更新
テキスト(csv)フォーマット [ZIP:7.88MB]
13年12月16日更新
STATA(dta)フォーマット [ZIP:11.05MB]
関連ウェブ・サイト
EU KLEMSデータベース
経済産業研究所の「産業・企業生産性向上」プログラムは、EU KLEMSプロジェクトにJIPデータベースおよび関連データを提供する事により、日本と他の先進諸国の生産性に関する国際比較を可能にしています。最新の国際比較データは
http://www.euklems.net/eukISIC4.shtml#top
からダウンロードできます。
World KLEMSデータベース
経済産業研究所の「産業・企業生産性向上」プログラムは、ハーバード大学を中心としたWorld KLEMSプロジェクトに参加し、JIPデータベースおよび関連データを提供する事により、日本と世界各国の生産性に関する国際比較を可能にしています。最新の国際比較データは
http://www.worldklems.net/data/index.htm
からダウンロードできます。
Asia KLEMSデータベース
経済産業研究所の「産業・企業生産性向上」プログラムは、Asia KLEMSプロジェクトの中核メンバーとして、日本を含めたアジア諸国の生産性データ整備と国際比較を進めています。詳しくは、Asia KLEMSプロジェクトのウェブ・ページ
http://asiaklems.net/
をご覧ください。
民間・公的研究開発投資と製造業の生産性に関する産業・地域別データベース
経済産業研究所の「産業・企業生産性向上」プログラムは、文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)および一橋大学と共同で、企業及び公的部門の研究開発投資がイノベーションを通じて、事業所・企業の生産性や雇用さらには企業価値に与える効果を統計学的・計量経済学的に分析する調査研究を行い、その成果として、産業別研究開発ストック、地域・製品分野別研究開発ストック・スピルオーバー、地域・学術分野別公的研究開発ストック・スピルオーバーを推計・公表する作業を進めています。詳しくはNISTEPのデータ・情報基盤ページ
http://www.nistep.go.jp/research/scisip/data-and-information-infrastructure
をご覧ください。
無形資産投資データベース
欧米主要国の無形資産投資の推計に関しては、
http://www.intan-invest.net/
をご覧ください。