概要
本論文は、著者独自による関係者へのインタビューも踏まえながら、1980−2000年代にかけての通商産業省(現経済産業省)のASEAN国際産業政策の展開を論じたものである。この期間における当該政策は、日本企業のASEAN進出、ASEANの工業化戦略の進化、中国の台頭といったグローバルな政治経済環境の変化等も考慮しながら、バイのニュー・エイド・プラン、マルチの経済枠組みでのASEAN産業高度化や域内産業調整、自由貿易協定や東アジア大での地域経済統合へと変遷してきた。通商産業省及び経済産業省のASEAN国際産業政策は、日本企業がASEANで構築した生産ネットワークの維持・強化を主目的に修正・展開されてきたが、結果的に日本が「アジアの横の日本」から「アジアの中の日本」に立ち位置を変えつつ現在に至ることが明らかになった。