コロナ下で日本の働き方はいかに変わったか:その評価と展望

執筆者 鶴 光太郎(ファカルティフェロー)
発行日/NO. 2023年11月  23-P-029
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概要

コロナ下で大きく変わった働き方としてまず在宅勤務がある。在宅勤務が強制的に行われた場合には生産性は下がる可能性があるが、時期の経過やインフラ整備、意識改革で高生産性との両立は可能だ。コロナ下で進んだ副業や独立自営業については、収入目的の副業や労働者性の高い独立自営業に課題が集中しており、対応が必要である。コロナ下ではこうした多様で柔軟な働き方が進むとともに、デジタル化やAIなどの新たなテクノロジーの活用も急速に進んだ。AIの働き方への影響に関する既存分析をみる限り、雇用や賃金への明確な悪影響はみられず、AIに対しては、人間を補完し、その力を増強してくれる存在として捉えるべきだ。こうした取り組みと共にコロナ下で従業員のウェルビーイングを重視する経営を進める企業も目立つようになった。これが企業の業績を高めるなど、企業と従業員がウィン・ウィンの関係を構築することが期待される。