官民共創のイノベーション―規制のサンドボックスの挑戦―

執筆者 中原 裕彦(元経済産業省経済産業政策局審議官)/池田 陽子(コンサルティングフェロー)/田邊 国治(元内閣官房日本経済再生総合事務局)/浦野 亮一(元内閣官房日本経済再生総合事務局)/萩原 成(元内閣官房日本経済再生総合事務局)/緒方 宏明(元内閣官房日本経済再生総合事務局)/太田 賢志(元経済産業省経済産業政策局新規事業創造推進室)/中村 昌克(元経済産業省経済産業政策局新規事業創造推進室)/坂下 大貴(元経済産業省経済産業政策局新規事業創造推進室)/桝口 豊(元経済産業省経済産業政策局競争環境整備室)
発行日/NO. 2023年10月  23-P-021
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概要

規制のサンドボックス制度 は、生産性向上特別措置法(2018年施行)に基づいて創設され、改正産業競争力強化法により恒久化された新しい制度である。第四次産業革命によってもたらされた新技術やビジネスモデルについて、「まずやってみる」ことを許容するために、期間・参加者を限定し、既存の規制の適用を受けることなく、迅速な実証を可能とし、道路交通法、宅地建物取引業法、借地借家法及び産業競争力強化法(民法の特例)における法改正につながったケースも生まれている。過去5年間の運用実績を踏まえ、第四次産業革命時代を象徴する新たな政策に関する研究を行う。

本稿の構成は、まず、制度創設を主導した行政官の視点で、概要紹介のみならず、新しいアイデアとそれを実装するまでの間に存在するボトルネックをいかに解消していくかという制度の起点にある思想にまで踏み込んで説明する。その上で、実際に本制度の運用に携わり、スタートアップや規制官庁と連携しながら案件組成に尽力した担当行政官の視点から事例分析を行う。最後に、さらなる官民共創のイノベーションに向けた政策的示唆として、今後のルール形成・政策の担い手のあり方、第四次産業革命時代のメインプレーヤーであるスタートアップへの支援強化の機運、企業の法務機能の新展開について多角的に言及する。