執筆者 | 鶴 光太郎 (ファカルティフェロー) |
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発行日/NO. | 2019年10月 19-P-023 |
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概要
ICT(情報通信技術)、ロボット、RPA(robotic process automation)、AI(人工知能)など新たなテクノロジーが企業の組織や働き方を大きく変えようとしている。こうしたテクノロジーの基礎となるICTは情報をすべてデジタル化することで、ペーパーレスを可能にし、ホワイトカラーの仕事の「見える化」やテレワークといった時間・場所によらない働き方などを可能にし、企業の生産性向上への寄与が期待される。一方、AIなどのより先進的なテクノロジーについては、自動化による労働代替が過度に強調されている。確かに、ロボット、RPAは自動化、労働代替による効率化を意図しているが、AIの本質はビッグデータ、広義の機械学習を使った「予測」である。その「予測」をどう活用するかは、人間次第であり、AIと人間が補完的な関係を形成し、共存することは可能だ。AIによる予測を通じて、個々の消費者の選好・嗜好に合わせて差別化された多様な財・サービスを提供するビジネスの「パーソナライゼーション」(個別化)の進展が期待される。