執筆者 | 大橋 弘 (ファカルティフェロー) |
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発行日/NO. | 2019年10月 19-P-021 |
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概要
ISDT(internet, sensor, digital technology)分野でのイノベーションが社会実装され、わが国が直面する構造的な難題のいくつかに解決に向けての光が当たりつつある。他方で、こうしたイノベーションが生み出す新たな産業フロンティアを中心にして、格差問題や個人情報保護問題、あるいは競争政策上の問題など、これまで必ずしも十分に議論されてこなかった課題が浮上してきている。本稿では、「新たな産業フロンティア」プログラムの成果をまとめながら、いわゆる「Society 5.0」の世界において、新たな産業フロンティアが投げかける「光」と「陰」を考察し、両者のバランスの中で求められる政策的な対応について、特に競争政策の観点を中心に検討を行う。従来の政策アプローチの限界を指摘し、今後の求められる方向性について試案を示す。