執筆者 | 青木 玲子 (ファカルティフェロー) /新井 泰弘 (青森公立大学) /田村 傑 (上席研究員) |
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発行日/NO. | 2012年9月 12-P-017 |
研究プロジェクト | イノベーションへの標準政策 |
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概要
技術の標準化と知財化を戦略的に行うことの重要性は世界的に浸透していきている。我が国でも、「産業構造ビジョン2010」や「知的財産推進計画2011」等で研究開発と連携した、知的財産権を用いた産業競争力の強化が目標として掲げられている。本論文の前半では、まず、ネットワーク効果、スウィッチングコスト、マルチタスキングの概念を使って、標準化と知財化戦略のメカニズム分析のフレームワークの構築を行った。その際、いくつかの実例を、標準化技術の垂直的市場での位置(川上、川下)、補完財の有無と所有者(自社、他社)によって分類をして、技術情報の権利化やオープン・クローズの選択や、価格付けの経済的分析を行い、政策的含意を検討した。後半では、標準と特許の制度上の違いに視点をおいて、標準規格の存続期間がどのような現状について行った調査を利用して、標準の存続期間と法的に決まっている特許の保護期間の関係を把握する。両者を時間軸で分析するためのフレームワークを構築して、政策的インプリケーションを検討した。