マネジメント・バイアウト(MBO)における経営者・取締役の行為規整

執筆者 北川徹  (リサーチアシスタント)
発行日/NO. 2007年7月  07-P-001
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概要

マネジメント・バイアウト(MBO)は、経営者による企業買収という深刻な利益相反の側面を有しているが、同時に、経営者に対して、経済効率的な組織再編を促すインセンティブを与える。従来、経営者と株主間の利益相反問題は、少数株主の保護の観点から検討されてきたが、本稿は、経営者の有するインセンティブの観点から、取引保護条項を効果的に付与することによって、経営者・取締役の行為規整のあり方を検討するものである。

かかる検討の前提として、売主と買主の価格交渉の場が存在するかどうかという客観的な視点と、経営者がMBOを行う動機・目的が何かという主観的な視点から、MBOを4つの類型に分けて考察し、米国における行為基準を参考に、とりわけ利益相反性の程度に応じた行為規整のあり方を提示する。