調査の目的
人生100年時代と言われる今日、職業人生を生き抜くためのスキルの形成や蓄積が求められている。人工知能等の情報技術の急速な発展により、スキルの陳腐化が加速している現状に鑑みると、高度なスキルを迅速に蓄積するとともに、円滑にスキル転換できる社会的な仕組みを整えることが急務である。
しかし、その一方で、労働者がどのようなスキルをどのように形成し蓄積してきたか、その実態は必ずしも明らかではない。たとえば、就学前教育や課外活動の効果、高等教育における専門と就職後のパフォーマンスの関係、近年注目されている非認知能力(性格スキルなど)の形成とその効果、就職後の企業内訓練がキャリア展望にもたらす影響など、就学前・就学時から、就職後、現在に至るまでの、学習・教育訓練とスキルの形成・活用に関する多くの問いが残されたままとなっている。
そこで、本調査では、これらの問いに取り組み、より効果的で効率的なスキルの形成を可能にするための包括的な政策を提言することを目的として、就学時の経験、就職後の教育訓練、認知能力、非認知能力、健康資本などに関する総合的なウェッブアンケート調査、およびOECD(経済協力開発機構)が提供している、読解力、数的思考力、IT を活用した問題解決能力を測定するオンラインテスト「Education and Skills Online Assessment」を行った。
調査概要
- 調査対象
-
<本調査>
日本国内に在住の25歳~59歳の男女 6,000s
*性別×年齢(5歳刻み)×地域(8区分)×学歴(大卒以上、大卒未満)×就業状態(有業、無業)
*平成29年就業構造基本調査(総務省統計局)
を元に設定<追跡調査>
上記対象者のうち、600s以上 - 調査方法
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調査会社が保有するアンケートモニターを対象とするインターネット調査
- 実施期間
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<本調査> 2019年3月5日~3月7日
<追跡調査> 2019年3月11日~3月24日 - 有効回答数
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<本調査> 6,000s
<追跡調査> 812s
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