経済・金融の国際的緊張が続く2011年:投稿意見
後藤 康雄
上席研究員
制度に内在するバブル繰返しの病巣
上席研究員・埼玉大学名誉教授 小野 五郎
基本的に「基本構図は変わらず」という氏の意見に同感。
ただし、問題の根源はもっと奥深い。すなわち、もはや実物世界では行き詰まったアメリカが「金融工学」という虚構を楯に実物経済規模をはるかに上回る金融市場を創出したことにある。特にケインズが「実物経済より投機を好む」と喝破したアメリカ人が覇権を握り、かつ、成熟下の定常状態に満足できないEU・日本が追随し、今や「投機は市場経済で必要」とする空論を超えた博打が世界規模で制度化された。
といって、「大きすぎて潰せない」段階に達した今となっては手の打ちようもない。ということで、「何も変わりはしない」ことになるのだ。
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