中国経済新論:実事求是

中国がもし100人の村だったら

関志雄
経済産業研究所 コンサルティングフェロー

中国の2000年の人口は12億6583万人

中国を100人の村に縮小してみると
世界全体の人口は470人
日本はたったの10人

中国だけで世界の人口の5分の1を占めていることになる。この数の大きさが、時と場合によっては「潜在力」ともてはやされ、また、「脅威」と叫ばれるのである。

中国村の100人のうち
男性が52人
女性が48人
女性1人に対する男性人口は1.08人。(日本は0.96人)

「重男軽女」という儒教の思想がいまだ生きているようである。

漢民族が92人
少数民族が8人

中国村は多民族国家ではあるが、漢民族が圧倒的多数を占めている。

沿海部の土地に住む人が42人
残りの86%の土地には58人

中国全土の14%しかない沿海部に人口が集中している。

都市部に住む人は36人
農村部には64人が住んでいる

農民のことを理解できないと、本当の中国が理解できないと言われるほど、中国はいまだ巨大な農業国である。

年齢別では
0-14歳が23人
15-64歳が70人
65歳以上が7人

日本を100人の村にした場合、65歳以上が18人の計算になるので、一見すると中国の高齢者数が少ないように見える。しかし、高齢者予備軍や一人っ子政策による低年齢層人口の減少などから考えても、高齢化社会の到来は必至であろう。

就学年齢(6歳)以上の人のうち
大学以上の学歴はたったの4人
高校専門卒が12人
中学校卒が36人
小学校卒が38人
識字クラスは2人
教育を受けたことがない人は8人いる

初等教育が普及しているが、高等教育はこれからの課題である。

中国社会を十の階層にわけてみると100人のうち

国家・社会の管理者階層 2.1人
管理職階層 1.5人
私営企業主階層 0.6人
専門職・技術者階層 5.1人
事務員階層 4.8人
自営業者階層 4.2人
店員階層 12人
産業労働者階層 22.6人
農業労働者階層 44人
無職・失業・半失業 3.1人

改革開放から20年という年月が過ぎ、社会の構造も変化を見せ始めた。中国社会科学院の「当代中国社会構造の変遷について」という報告書には、旧来の政治・戸籍・行政身分による区分ではなく、中国社会十大階層という分類方式が新たに提示されている。

2002年3月15日掲載

2002年3月15日掲載