プロジェクト概要
市場の質理論によると、四半世紀を超す長期停滞から脱却し、健全な成長経路を築くには、市場の高質化と適切な市場インフラ(市場を取り巻くさまざまな要素)の形成が喫緊の課題となる。そのためには、経済に内在する諸問題に対して、目的に直接働きかけるのではなく、法律やガバナンス形成を通じたシステムデザインによって、迂回的、間接的に目的達成を図る必要がある。市場高質化をもたらすシステムをデザインするには、市場の質を正確に定量化し、市場の質と市場インフラの定量的関係を把握しなくてはならない。本研究では、高精度・高次元ビッグパネルデータを利用し、内生性を排除した市場インフラと市場の質の定量化を試みる。それにより得られたエビデンスをもとに、健全な発展成長を可能にする、法律、政策、制度などの市場インフラのデザインを解明し、最終的には、新たな法と経済学分野の開拓を模索する。
プロジェクト期間: 2018年3月12日 〜 2020年2月29日
主要成果物
2020年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 20-E-092
"Three Minds Equal Manjushari's Wisdom: An Anatomy of Informal Social Learning with Heterogenous Agents by the Hierarchical Bayesian Approach" (SATO Masahiro, OTA Rui, ITO Arata and YANO Makoto) - 20-E-042
"Reserve Requirements and Bubbles" (ASAOKA Shintaro) - 20-E-041
"Endogenous Business Cycles with Bubbles" (ASAOKA Shintaro) - 20-E-033
"Declining Demand and Product Quality: An Empirical Study of the Japanese PC Monitor Market" (OTA Rui and ZHANG Lili) - 20-J-029
「原子力発電所事故と日本人の価値観」 (広田 茂、要藤 正任、矢野 誠)
2019年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 20-E-009
"Economic Black Holes and Labor Singularities in the Presence of Self-replicating Artificial Intelligence" (YANO Makoto and FURUKAWA Yuichi) - 19-E-097
"Market Quality Theory and the Coase Theorem in the Presence of Transaction Costs" (YANO Makoto) - 19-E-062
"A New Theory of Money: From Ancient Japanese Copper Coins to Virtual Currencies" (YANO Makoto)