■連載開始にあたって
農業のGDPに占める比重は経済発展に伴い著しく低下しました。今では1%程度となっています。これはアメリカなど他の先進国でも同様です。
しかし、国民の関心が少なくなっているかというとそうではありません。
食料は人間生活に欠かせない基礎的な物資です。日本人の生活から飢餓の経験はなくなり、いまや飽食の時代といわれています。しかし、世界では依然貧困で食料を買えない人達が多くいますし、過去100年の間に16億人が61億人に増加した世界人口の伸びや所得の増加による畜産物消費の拡大が今後も継続するとすれば、食料が不足する時も来るかもしれません。また、農業や食料生産技術が発展した結果、遺伝子組替え食品などの新しい食品やBSEなどの新しい病気が出現し、安全な食料の供給に対する消費者の関心も高まっています。 ...続きを読む
■牛乳の過剰問題
1.牛乳が廃棄されたようですが?
北海道や九州では今年3月牛乳を廃棄処分しました。北海道では900トンという異例のものでした。飲用牛乳の消費が3年続けて減少していることが背景にあります。平成15年度は、1.3%、16年度は2.3%、17年度は3.4%の減少です。豆乳、スポーツドリンク、お茶などの飲料が大幅に伸びていることから、その影響を受けているといえそうです。他方、牛乳の生産量は、16年度は1.4%の減少となったのですが、17年度はわずかですが、0.1%の増加となりました。この需給のギャップが牛乳の廃棄につながりました。 ...続きを読む
■WTO交渉の行方
1.WTO交渉とは?
WTOとは、世界貿易機関の略称です。世界のおよそ150カ国が参加している、貿易自由化のための国際機関です。WTOの前はGATT(ガット)といわれました。1986年から1994年まで行われたガット・ウルグァイ・ラウンド交渉の結果出来たのがWTOです。GATTはモノの貿易だけを扱っていましたが、これに加えて、サービス貿易、知的所有権の保護など新しい分野を取り込み、また、農業や繊維などGATTの時代には十分な規律がなかった分野についても規律されることとなりました。 ...続きを読む

