フェローの連載

リサーチインテリジェンス

本連載では経済学、経営学を中心とした学術界の動向をフォローし、政策課題の検討に関係があるもの、最近における新たな論調やホットな論争、注目を集めている学術的な議論をできるだけタイムリーに伝え、さらには、それらの基礎となる重要テーマの学術動向を含めて紹介していきます。

IoT, AI等デジタル化の経済学

本コーナーは、岩本晃一上席研究員が、急速に拡大するInternet of Things(IoT)ついて、さまざまな視点で考察していきます。
(旧:IoT/インダストリー4.0が与えるインパクト)

関志雄:中国経済新論

「経済発展」と「市場経済への移行」を軸に、中国経済の現状と課題を明らかにし、それを踏まえて、台頭する中国経済の世界経済への影響を分析する。

中島厚志の経済ルックフォワード

逆オイルショック下での新興国の経済成長鈍化、主要先進国での長期停滞論の広がり、第4次産業革命の到来を示すかのようなAIとIoTの急激な発展、そしてTPPに代表されるメガFTAの登場と経済グローバル化の一層の進展など、世界経済では数十年振りとも言える構造変革が起きている。このような時代にあっては、短期循環論での視点では内外経済の動きを見据えることは難しく、大きな時代変革を捉えた上での経済分析が…

小林慶一郎のちょっと気になる経済論文

このコーナーは、小林慶一郎ファカルティフェローが、経済学の学術論文や経済学書などについて、現在の経済情勢や経済政策の観点から重要だと思われるものを、独自の視点からピックアップ!

経済学を学ぶ大学院生に向けて、内容の紹介や論文の意義を解説していきます。

エビデンスに基づく医療(EBM)探訪

本コーナーでは、医療と健康について、エビデンス重視という立場に立って、いろいろと調べた結果を報告します。

国際貿易と貿易政策研究メモ

近年、貿易理論と貿易の実証は急速に発展してきています。しかし、その学術的成果は、研究者の間では共有知識となっているものの、政策現場にはまだ浸透していません。そこで、貿易に関わる伝統的・現代的事項双方を、最新の研究状況を踏まえて、なるべく簡明に解説します。それによって政策担当者等にも有益な学術情報を提供することを目指します。

社会保障・経済の再生に向けて

少子高齢化や経済のグローバル化の進展に伴い、財政・社会保障改革は喫緊の課題となっています。しかし、現役世代と老齢世代の間では世代間闘争の色彩も帯び、なかなか本格的改革は進捗していない状況にあります。財政赤字の何が問題で、どうすれば両世代が納得する社会保障が構築できるのでしょうか。また、人口減少は、日本経済を縮小させ、その活力を失わせていく可能性もあります。このため、この連載コラムでは、将来世…

経済問題:WHY?

経済学者小宮隆太郎が遭遇する、さまざまな経済問題について「これは何故なのだろうか?」という"question"(疑問、質問)を紹介します。

私は長年、自分は"Applied Economics"(応用経済学)の学徒であると考えてきた。"Applied Economics"とは、まず経済分析に役立つと思われる経済理論を学んで理解し、現実の経済問題を良く観察して、経済理論によって…

海外レポートシリーズ:国際金融情報スーパーハイウェイの建設現場から

ロンドンでの住まいは、ロンドンブリッジ駅から急行で30分。出発して15分を過ぎた頃から、早くも田園風景が広がり始めます。ロンドンの我が家を訪問した埼玉在住の両親曰く、「秩父のような自然豊かなところ」。このような田園風景をすぐそばに残したまま、ロンドンシティはグローバル金融センターとして発展し続けています。現在、ロンドンでは労働者の約3人に1人が金融業界とその関連業界に従事しており、他の国際金…

海外レポートシリーズ:欧州からのヒント

海外にいると、当初は日本との違いにばかり目が向き、しばらくすると結局同じようなものだと思うことが増え、そうした経過を経て後、冷静に彼我を眺められるようになる。本シリーズでは、「欧州からのヒント」と題して、日本で話題になっている政策イシューのいくつかについて、欧州にいて感じたこと、考えたことを述べていきたい。

農業・食料問題を考える

農業のGDPに占める比重は経済発展に伴い著しく低下しました。今では1%程度となっています。これはアメリカなど他の先進国でも同様です。

しかし、国民の関心が少なくなっているかというとそうではありません。
食料は人間生活に欠かせない基礎的な物資です。日本人の生活から飢餓の経験はなくなり、いまや飽食の時代といわれています。しかし、世界では依然貧困で食料を買えない人達が多く…

Economics Review

日本経済は今、大きな岐路に立っている。90年代から続く長期低迷、閉塞感から抜け出せない中で、ITバブルの崩壊、テロ事件の発生が重なり、誰もが将来への不安感を募らせている。家計、企業、政府それぞれがあるべき姿を見出せないまま、もがきながら暗中模索している状況といえよう。経済社会状況が安定している場合であれば、これまでの延長線で物を考えることでこと足りるかもしれない。しかし、経済が大転換しつつあ…

外交再点検

日本は変わっていかなければならない。経済も、社会も。これまでの暗黙の前提を何も考えずにそのまま実行する時代には終止符を打たなければならない。世界は動いている。変化のスピードはますます速くなっている。グローバリゼーションが進展し、外交のプレーヤーも多様化している。「外交問題」のアジェンダも変わってきている。中国をはじめとして、アジアも変化している。日本とアジアとの距離感も変わってきている。日本…

社会システムデザイン研究会

社会システムデザイン研究会は、横山禎徳上席研究員を中心に、氏が提唱する「構造改革を迫られる我が国に必要なのは『労働及び資本生産性の向上』と『新しい社会システムデザイン』である」との理念の基に、それを実現するための明確なビジョンを確立し、それと整合するさまざまな政策を実施するための分析と提言を行うことを目的とするバーチャルな研究会です。

検証:日本の通商政策

「日本のいちばん長い日」という映画があった。終戦の日を描いたものだったが、その日役所から書類を焼く黒煙が幾重も立ち上っていた場面が印象に残っている。あの戦争自体、戦訓に学ぶことにおいて日米間に大きな格差があったことが敗因のひとつだったと聞いている。そして、あの黒煙の中にいかに多くの後世への教訓が秘められていたか、今は知る由もない。

今日の日本でも、行政官は過去の多くを語らない…

ブロードバンド戦略

2000年秋、政府のIT戦略会議は、「2005年までに1000万世帯に超高速インターネット、3000万世帯に高速インターネット」を普及させるという壮大な目標を掲げ、これをきっかけにブロードバンド(広帯域)インターネットに注目が集まるようになりました。今年の初めには1万人余りだったDSL(デジタル加入者線)のユーザーは、今年中に100万人を超える勢いですが、IT不況が深刻化する中、その前途は必…