第2回

構造改革特区- 80項目決定をどう見る?

鶴 光太郎
上席研究員

10月11日、構造改革特区推進本部が改革特区の具体案をまとめた特区推進プログラムを決定した。今回、病院・学校経営への株式会社参入は見送られ、農業分野への株式会社参入用件の緩和などを盛り込んだ80項目が決定された。特区設置の手続きとしては、地方公共団体が「構造改革特区計画」を首相に提出し、地域の活性化に役立つと認められた場合、首相が認定をし、関係閣僚の同意を求めることになる。

そもそも論として、今回のように、一斉に特例措置項目が発表され、どの地域も80項目から自由に特例措置を選択できるような方式のもと、政府はどのような基準で「ある地域には特区を認定し、別の地域には認定しない」といった決定を下すつもりなのだろうか?提案した地方公共団体とその要望を一旦分離してしまえば、“地域の自発的な創意工夫を活かす”といった側面は見えてこない。これでは、「すべての地方公共団体に認可する」か、「すべての地方公共団体に認可しない」、のどちらかしか選択できないのではないだろうか。「どの地域にどの特区を認めるか」という肝心な判断を先送りしている印象は否めない。

2002年10月16日

2002年10月16日掲載

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