正鵠を射た提言
上席研究員 小野 五郎
現下の内外経済の混乱、特に円高に対して無数の提言が為されているが、その多くは「水鳥の羽音に驚く」類。
昨今、政財学界問わず事の核心を見ることができず、自身の先見性欠如および無力を認めたくないがゆえに、自助努力で何とかする問題、正攻法な政策で対応すべき問題についてまで、すべて「円高」「震災」等いかんともしがたい事象に責任転嫁する風潮が高い。
対して、本論考は、通俗エコノミストが陥りがちな世間の期待する「耳に心地よい」話ではなく、正当派経済学者の立場から正攻法に問題を解き明かし提言しているものとして高く評価できる。是非とも政策立案者ないし為政者に一読してもらいたい。