日本のためにならない「元高」:投稿意見
関志雄
上席研究員
「日本のためにならない『元高』」について
菅沼 剛
日本も中国も外需に依存しています。そして日中貿易は補完的であります。ここまではご同意いただけるとして、現在の為替レートが妥当かどうか、そして今後はどうかということを考えた場合、やはり徐々に元高ドル安の方向に向かうのが(日本にとって)良いのではないでしょうか? 問題は中国の内需拡大のスピードにかかっていると思います。
先進国はマーケットの拡大が国益になるという基本スタンスを崩すべきではないと考えます。
「日本にためにならない『元高』」について2点の意見
佐久間さとし
掲題と内容は、確かにそういう面があると思われるが、昔、日本の円高はアメリカ国民にとって是か非かなる論点での文章をよくアメリカ発で耳にした記憶がある。結局は、円高でも日本も米国も発展してきた。
まったく同一ではないにしても、以下の2点がいえるのではないだろうか。
1.その国の経済が発展していく過程で、近隣諸国の思惑もあるが、原則的には経済が発展して国力がその国の通貨価値を高めるのは仕方がないように思われる。
2.現状では、元高は中国へ多数進出している日本にとっては不利な面が大きいかもしれません。
しかし、経済とは上記1のように無理な思惑とは異なり、よい国があれば悪い国が生じる、大海の波の動きのように自然の理屈があるように思います。不利な時は有利なところへ移らざるを得ないのが、コストダウンと言うことでしょう?
日本のためにならない「元高」について
山形市 会社員 木村みずほ
「元」の為替レートの件は、もう少し広い視点から考えるべき問題ではないでしょうか。つまり、現在の「元」のポジションの背景や今後の推移の見通し、更に日本の雇用状況に与える影響などへの考慮も不可欠と考えます。
ところで、「元高」が日本のためにならない理由として、日中の経済関係が補完的であることを挙げていますが、「元」が変動相場の下にあり、且つ「元高」を求めるのであれば、確かにおっしゃるとおりでしょう。しかしながら、現状のような固定相場の下では、直ちには当てはまらないのではないでしょうか。
また、「良いデフレ」という言葉が使われておりますが、誤解を招く言い方です。経済学の立場で厳密に考えれば「良いデフレ」など無いはずです。日銀の「物価安定」機能も、インフレとデフレ双方の抑制を目的としていることは言うまでもありません。
更に広い視野での提言を期待しております。
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