グレシャム法則の呪縛に苦しむ日本経済—ダーウィン法則への転換を目指して:投稿意見

関志雄
上席研究員

アメリカの地からグレシャム法則を読んで

会社員(在ニューヨーク)

面白く読ませて頂きました。まさにその通りではありますが、現在米国では「株式至上(市場ではない)主義」の欠陥が大きく取り上げられており、日本型社会主義の崩壊の向こう側で、実は偉大なるインサイダー社会である米国流資本主義(性悪説と利益至上?)も綻びを見せて来ています。右上がりでは隠されていたところが暴露されてきたという感じです(それ見たことか、といわんばかりの日本マスコミの取り上げ方には感心はしませんが)。

経済不調の皺寄せが国家保護の金融システムに集約されてしまった日本とは異なり、資本市場のメカニズムの中で家計も含めてリスクが分散されている(といわれている)米国では、金融市場から不動産へのシフトにより、家計の潤いは消えていない(といっても値上がり分で借金するのですが)ため、消費行動は相変わらず盛んで、経済の下支えとなっているようです。
いずれにしても、この国の消費者は日本ほど洗練されておらず、日本の視線では殆どの商品やサービスが失格です。ただ、これも慣らされてしまえばまた良し、ということになるのでしょう。日本が理由あるコスト高の社会であることを実感しています。消費⇒金⇒消費⇒金のサイクルで人生を過ごし、少しでも早くHappy Retirementするという起爆剤で生きている人達とは、良い悪いは別として、やはり文化の差を感じる次第です。日本型社会主義の崩壊が、日本的文化あるいはシステムに対する自信喪失とイコールでは無いようにも思われ、外の地からもう一度見直してみたいところです。

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