RIETIについて

理事長挨拶

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中島 厚志RIETI理事長

2017年度の日本経済は、世界経済の回復に合わせて良好な展開となりました。企業は最高益を更新し、設備投資も上向いています。また、緩やかながら賃金も上昇し、消費を支えています。

一方、経済課題も引き続き存在しています。依然として企業収益の伸びほどには賃金が上がっていないのがその一つです。背景には、労働需給のタイト感が強まっているにもかかわらず、相対的に低賃金の非正規労働者の労働人口に対する比率が減っていないことや女性や高齢者の活躍がなお途上であることなどが挙げられます。また、雇用が、生産性が相対的に高い製造業雇用から生産性が相対的に低いサービス業にシフトしていることも指摘されています。

このような状況にあって、政府は働き方改革を進めています。長時間労働の是正などを通じて仕事と生活のバランスを図るとともに、正規・非正規労働者間の格差是正や生産性向上などを通じて内需活性化を図るものでもあります。

RIETIは、政策シンクタンクとして経済産業社会政策の形成に資する理論的・実証的な研究を遂行し、エビデンスに基づく政策提言を行っております。同時に、その成果をシンポジウムやセミナー、Webなどを通じて活発に提供しています。そして、2016年4月より、「世界の中で日本の強みを育てていく」、「革新を生み出す国になる」、「人口減を乗り越える」を視点とする第4期中期目標期間をスタートさせました。

2年目に当たる2017年度では、経済金融、人的資本、通商政策、生産性などの分野で多くの研究論文を発表し、シンポジウムやセミナー、ワークショップも「情報技術と新しいグローバル化」、「クロスボーダーM&A」、「Evidence Based Policy Making」や働き方改革などに関するものを多数開催しました。

内外経済は大きく変化しており、反グローバルな動きも広がりつつあります。また、AI時代を迎えて人材高度化も待ったなしとなっている中で、RIETIは今年も政策シンクタンクとして、タイムリーで幅広い研究成果とその成果の発信に注力してまいります。

2018年5月