RIETIについて

所長挨拶

森川 正之顔写真

森川 正之RIETI所長・CRO

RIETIは創設から20年目に入りました。政策立案への寄与、研究論文の質、社会的発信などの面で、内外から政策研究機関として一定の評価を得るようになっています。研究機関として認知されるには長期にわたる地道な積み重ねが必要です。この10年強の間、副所長としてRIETIの運営に関わる中、創設以来の蓄積の上に現在のRIETIがあることを感じてきました。したがって、経済社会情勢、政策ニーズの変化、研究の潮流などに応じて微修正を加えつつ、基本的な枠組みを継承・維持していくことが望ましいと考えています。

政策実務と学術研究を橋渡しすることを通じて、より良い政策形成に寄与すると同時に、学術的価値の高い研究成果にも結びつけるという二兎を追うことがRIETIの目標です。将来の行政のあり方を見据えると、学術研究への知見も備えた行政官が大勢育つことが必要です。一方、研究者にとっては、独自性のある研究のヒントや素材が政策現場には山積していますので、そこから得られることも多いはずです。エビデンスに基づく政策形成が浸透していくためには、意識の高い政策実務者と現実感覚に富む研究者とが公式・非公式に交流・協働するのが理想で、その接点を拡げていくことがRIETIの大事な役割だと考えています。その際、問題意識を共有しつつ中立性・客観性を保つという適切な距離感も、シナジーを発揮する上で重要になります。

私に比較優位があるとすれば、おそらく政策実務と政策研究の両方に長く携わってきた経験、マネジメント業務と自身の研究活動を並行して行ってきた経験だろうと思います。行政官の考え方や関心事、研究者のモチベーション、組織運営の実務を理解できることが役立つかも知れません。そうした立場から、①政策実務者と研究者、②研究所内と大学など外部の研究者、③研究者とマネジメント及びスタッフの協力を深めるようなコーディネーションを心掛けていきたいと考えています。

第5期中期目標期間に入る直前、新型コロナウイルスの世界的な拡散という経済社会にとって深刻なチャレンジが発生しました。RIETIの活動にも大きな制約となっており、計画通りにいかないことも出てくると思います。また、これに限らず想定外のショックは今後もありえます。計画していた活動を杓子定規に実行するのではなく、新しい課題に柔軟に対応することも政策研究機関として大事だと考えています。

2020年4月