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小西葉子上席研究員がプロジェクトリーダーを務める「経済産業省 令和元年度ビッグデータを活用した新指標開発事業」の成果がMETIのプレスリリースに掲載されました

小西葉子上席研究員は、2016年度より経済産業省のビッグデータを活用した新指標開発事業に参画しており、2018年度からは同事業の座長を務めています。

今年度は、「経済産業省 令和元年度ビッグデータを活用した新指標開発事業(短期の販売・生産動向把握)」の中で、国の統計調査を民間ビッグデータのみで作成するという初の試みを実現しました。

また、2019年11月29日より今年度事業の成果を経済産業省のホームページに「BigData-STATSダッシュボード(β版)」として開設し、「POS-小売販売額動向指標[ミクロ]」(画像1)を公開しました。このダッシュボードは、POSデータや行政記録情報等のビッグデータを利活用し、既存の政府統計の拡充と速報性に優れた指標を開発・公表することを目指しています。公開された新指標は、「週次・月次」「期間」「業態」「大・中分類」「地域」等を選択・組み合わせを行うことで、大雨・台風などの自然災害、消費税率引き上げなど経済活動や暮らしに影響を与える事象の市場動向への影響を確認できます。ダッシュボード内での公表データはダウンロード可能であり、幅広いユーザーの利用が期待されます。

このダッシュボードのデータは、内閣府の「月例経済報告関係閣僚会議資料(2019年12月20日)」において、9月以降の台風や消費税比率引上げに対する個人消費動向の分析に活用されています。

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また、2019年12月27日には、同ダッシュボード内で、POSデータを用いて、商品別販売動向から消費者の購買心理や体感物価などを捉える新たな指標「METI×NOMURA コンシューマーセンチメント・インデックス(「消費者心理指標」)」(画像2)を公表し、経済産業省がプレスリリースを配信しました。弊所小西葉子上席研究員は野村證券金融工学研究センターと経済産業省に研究指導を行い、開発をリードしました。これらの新指標は、既存の政府統計では捉えることのできない消費者のプレミアム志向の強さや日々体感する物価を2015年以降週次で捉えることができます。今後、メーカーが価格設定を検討したり、小売店舗が取扱商品を検討したりする際の参考情報となることが期待されています。

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METIのプレスリリース
https://www.meti.go.jp/press/2019/12/20191227007/20191227007.html

日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP526226_X21C19A2000000/