プロジェクト概要
失われた10年と言われた時代から20年が経過し、いまだ、わが国は真の成長経路を構築できないでいる。この間に起きたさまざまな危機現象は、新しい自然科学的現象に社会や社会科学が未だ対応できないことに起因する。金融危機の背後にはマシーン・トレーディングなど金融技術の機械化があり、原子力発電所事故が大震災からの回復を大幅に遅らせ、今、また未知のウィルスによって世界中が悩まされている。特に、文理の高い垣根を温存してきた我が国では、政治、経済、社会のあらゆる側面において、本当の意味での文理融合を図らない限り、今の危機を乗り越えていくことは難しい。
こうした認識のもと、本研究参加者たちは、人文系を除外した旧来の科学技術基本法の改正を提唱し、JSTの研究会をはじめ、さまざまな機会を利用し、人文社会科学と自然科学が一体化した科学技術・イノベーション政策の重要性を訴えてきた。幸い2020年6月、科学技術基本法が科学技術・イノベーション基本法として改正され、現代科学が一体となった成長政策を作る基盤がいよいよ整ったと言える。
この中で、本プロジェクトは、文理融合による新しい生命・社会科学の構築を目指し、世界にも類のない生命科学と社会科学にまたがるコホートデータの構築に貢献し、データを最大限に活用し、さまざまな最先端研究を行う。それをもって科学技術・イノベーション法の導入という新しい国家戦略牽引の一助となる。
プロジェクト期間: 2020年8月 3日 〜 2024年1月31日
(上記プロジェクト期間のうち、研究活動期間は2020年8月3日 〜 2023年12月31日とし、データ利用報告期間は2024年1月1日 〜 2024年1月31日とする)