プログラム:マクロ経済と少子高齢化

East Asian Production Networks, Trade, Exchange Rates, and Global Imbalances

プロジェクトリーダー/サブリーダー

THORBECKE, Willem顔写真

THORBECKE, Willem (上席研究員)

リーダー

プロジェクト概要

新型コロナウイルス感染症の世界的流行が世界中で猛威を振るっている。痛ましい人的被害が出ていることはもちろん、深刻な経済的混乱が発生している。本研究プロジェクトの前半では、この危機が世界各地の経済へ与えている影響の様子とその原因に関してタイムリーな情報を収集し、適切な政策対応の提案を試みる。各国に関するタイムリーかつ一貫性のあるデータの情報源として、業種別株価がある。業種別株価は毎日更新され、各業種の状況に関する投資家の予測に関して、最新の情報を提供している。株価変動は、マクロ経済要因に起因する変化と、業種に固有の要因に起因する変化とに分割できる。パンデミックに際して、経済全体の減衰といったマクロ経済要因が多くの業種に打撃を与えた。また、その他の業種でも、人的交流の減少が発生するといった、業種に固有の影響を受けている。本研究では、株式のリターンデータを使用して、日本を始めとする各国の各業種がパンデミック期に受けている影響の様子とその原因の把握を試みる。同データを補強するためにその他のデータも使用する。例えば、危機以前からの輸出業務を推定した上で、説明変数の実績値を使用して、パンデミックを原因とした輸出の減少幅を測定する。そして、分析結果を用いて、経済回復を促進するための政策措置を提言する。

本研究ではまた、長期的な問題も取り扱う。不安定な為替レートが出現する危険が、研究者たちによって指摘されている。本研究では、為替レートが日本やヨーロッパ他各国の企業の価格動向、収益、輸出にどのような影響を与えるかについて調査する。これを行うために、本研究ではパススルー方程式、為替レートエクスポージャー方程式および輸出方程式といった手法を用いる。その上で、為替レートの不安定性から企業が自らを守るための方法を検討する。

最後に、世界経済の不均衡は、保護主義の急激な台頭を引き起こした。本プロジェクトでは、これらの不均衡を分析し、貿易保護以外の方法でこの問題に対処する方法を提案する。

本研究では、実証的な証拠を慎重に取り扱うことによって、新型コロナウイルス感染症による日本および各国経済への影響の様子、為替レートによる貿易への影響の様子、貿易不均衡が保護主義圧力の恒常化・醸成を招いている様子、製品の複雑性が経済のショックへのエクスポージャーに与える影響の様子などを分析する。分析結果を通して、回復、ショックへの耐性、継続的な成長を促すための政策対応を解明できることが期待される。

プロジェクト期間: 2021年1月18日 〜 2023年6月30日

(上記プロジェクト期間のうち、研究活動期間は 2021年1月18日 〜 2022年12月31日とし、データ利用報告期間は2023年1月1日 〜 2023年6月30日とする )