プログラム:マクロ経済と少子高齢化

日本と中国における介護産業の更なる発展に関する経済分析

プロジェクトリーダー/サブリーダー

殷 婷 顔写真

殷 婷 (研究員)

リーダー

プロジェクト概要

日本は世界でも類を見ない超高齢社会に突入し、新たな課題に直面している。その中で介護産業の生産性向上は極めて重要な政策課題となる。また、介護サービスに対して巨大な潜在的需要を有する隣国である中国は介護に対する認識も高まっているため、今まで蓄積してきた介護サービスのノウハウを中国へ輸出する絶好機となっている。本研究は、詳細かつ膨大な個人・家計・施設情報が入手可能な既存データを用いて、日本と中国に即したモデルを構築、推計することに加え、日中の介護産業についてそれぞれデータベースを構築し、それぞれの実態を把握した上で、経済的観点から一連の実証的分析を行う。第1に、日本の介護施設について包括的なデータベースを構築し、質を考慮したアウトプット関数の推計、質自体に関する分析、料金に関する分析および質の改善に対して報酬上のインセンティブを与えることがアウトプットの改善につながるかどうかといった効率性の分析を行う。また、他産業のデータを用いて、介護産業との比較分析をすることによって相違点を明らかにし、成長産業としての政策支援のあり方、雇用創出などに対しての政策提言を行う。第2に、インターネット・サーベイを通じてコンジョイントデータを構築することによって日中の介護サービス内容と料金設定などの需要側の実態や相違点を明らかにする。現在成長の初期段階にある中国において、どのような介護サービスを提供すべきか、さらに日本の介護産業がどのように参入すべきなのか、という問いについても答えを提供できる。

プロジェクト期間: 2017年7月24日 〜 2019年6月30日

主要成果物

2019年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー

2018年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー