プロジェクト概要
本プロジェクトは、東アジアにおける生産ネットワークを研究する。同地域の特徴は複雑な生産・流通ネットワークである。日本、台湾、韓国等の熟練労働者によって生産された高性能・技術集約型の部品は中国やASEAN(東南アジア諸国連合)諸国に輸出され、低賃金労働者がこれを組み立て、主としてアジア域外に再輸出される。東アジアからの輸出は、世界のその他地域との大幅な不均衡を引き起こしてきた。本プロジェクトでは、東アジアの生産ネットワークがどのように進化しているのか、タイの洪水、日本の大震災、世界的な金融危機、円高などの多くの衝撃的な事象を特に踏まえて研究する。また、これに付随しておきる不均衡は持続可能なのか、いかにしてより多くの最終財をアジアの消費者に供給できるのか、さらには、為替レートの変動が貿易にどのような影響を及ぼすのかについて研究する。本研究の成果が政策的に意義を持つことが期待される。東アジア地域の生産ネットワーク内では民間部門は徹底的に統合されつつあるが、対照的に政策立案者間で為替レート問題が議論されることはほとんどないのが現状である。
プロジェクト期間: 2011年12月27日 〜 2013年10月 1日
主要成果物
2013年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
2012年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 12-E-081
"The Effect of Exchange Rate Changes on Germany's Exports" (THORBECKE, Willem and KATO Atsuyuki) - 12-E-067
"Estimating Trade Elasticities for World Capital Goods Exports" (THORBECKE, Willem) - 12-E-019
"The Short- and Long-Run Effects of Exchange Rate Changes on the Japanese Electronics Industry" (THORBECKE, Willem)