プロジェクト概要
2008年度~2010年度
本プロジェクトの目的は、通商活動(貿易投資をはじめとする国際的な経済活動)に係わる政策や制度が、企業活動や産業構造に与える影響・効果を実証的に評価・分析することである。これまでの伝統的な研究では、代表的な企業の存在を仮定したもとで厚生評価を行うことに力点があった。しかし最近の分析では、企業間の差異に注目しながら、その戦略的な企業競争を許しつつ、通商・貿易政策を評価する試みがなされている。グローバル化した経済の中で、企業は必ずしも通商政策や制度に対して受動的に行動するとは限らない。たとえば特殊関税などの貿易政策に対しては、企業はより戦略的な思惑を持って行動することで、政策の決定プロセスにも影響を与えうることが知られている。一方で、こうした理論的な可能性が、どれだけ現実に妥当するかについての実証的分析は、未だ端緒についたばかりである。本プロジェクトの特徴は、企業活動のグローバル化や東アジアでの事業ネットワークが拡大深化していく中で、企業行動の分析に焦点をあてながら国際貿易の制度や通商政策のあり方を実証的に評価することにある。
プロジェクト期間: 2008年8月26日 〜 2011年2月28日
主要成果物
2010年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 11-E-014
Are Capital Intensive Firms the Biggest Exporters?" (Rikard FORSLID and OKUBO Toshihiro) - 10-E-058
"Does Japanese Liquor Taste Different?: Empirical analysis on the national treatment under the WTO" (OHASHI Hiroshi, NAKAJIMA Kentaro and DOI Naoshi) - 10-E-055
"Environmental Outsourcing" (OKUBO Toshihiro, Matthew A. COLE and Robert J.R. ELLIOTT) - 10-E-054
"Cross-Border Alliances and Product Market Competition" (TAKECHI Kazutaka)