コラム第16回「社外取締役はなぜ普及しないのか?」意見投稿

コラム第16回「社外取締役はなぜ普及しないのか?」への投稿

丹羽哲夫

社外取締役の導入は必要と考える。しかし、日本企業の実状に即した環境整備がされていない。環境整備での課題は、次の3点である。1.社外取締役になれる人材が絶対的に不足している。日本の取締役は、管理者の延長で選抜されている人と言える。経営者と対等に議論できる人(しかも、経営者との信頼関係を築ける)が極めて少ない。2.社外取締役の役割を果たせる時間や体制も整備されていない。取締役会の開催は、毎月1回3-4時間程度であり、議案1件当たり20-30分しか審議時間がない。とても、異なる視点で審議できる時間ではない。社外取締役に事前に説明し、論点を整理する部長クラスの担当もいない。必然的に、深い議論ができない。3.日本企業の取締役会で、真に審議機関になっている企業は少ない。ほとんどは事前に部門間で調整済みの議案を追認する機関である。以上のように、環境整備が不十分である。この課題を是正していく対策が必要である。
以上