きっかけは「ホリエモン」?:ライブドアのニッポン放送買収劇によって透かし出された問題とは何か:投稿意見

鶴 光太郎
上席研究員

私はこの記事に対して、ホリエモン同様、激しく嫌悪感を抱く

群馬県 ソフトウェア作家 戸谷浩史

『フジテレビやニッポン放送のように株価純資産倍率(PBR=時価総額/会計上の純資産)が1に近い企業は(それぞれ1.2倍程度)、自ら「買収してください」と宣伝しているのと同じ』とあるが、それは明らかに違う。「女性が一人で立っていたら、ナンパしてくださいと言っているのと同じ」という論理だ。
こういう記事を「~ありき」という。論理的に書いているようで、そこに論理はなく、自分の価値観を読者に押し付けている。

『単にフジテレビとの長年の取引関係を重視したとの理由では説明責任を果たしたことにはならないのは明白である。』これも違う。
営利活動をする上で取引とは何なのかを理解していない発言だ。
この著者は、本当に自分で「もの」を作って買い手を探して売ったことが無いからそういうことを平気で書けるのだ。

また、記事が対象とした企業がTOBに応じた後も、ニッポン放送の株は下がりもしたし、上がりもした。株価は水もの。その時々に「TOB価格より時価の方が僅かに高いからといって、TOBに応じない方が株主に説明できる」ことにもならない。不当な価格で売却するのではなければ、取引関係を重視してTOBに応じるのは、企業として極めて妥当な判断だと私は考える。

『社外取締役の活躍を含めた日本のコーポレート・ガバナンスの「機能」が成熟化して初めて検討可能な課題である。』に至っては、まったく非論理的な記述だ。
『制度だけを導入しても』まではまだ良かったが、成熟してから検討しろというのでは、「戦いが終わって、焼け野原になってからルールを決めろ」と言っているも同然。こういうのを「無責任」と言う。自分の勝手な好みでルールまで決めさせようとする態度は、研究員の「け」の字もおこがましい。

コラムを読む

この著者の記事