日本語タイトル:東アジアにおけるサプライチェーンの国際化:包摂性とリスク

Supply Chain Internationalization in East Asia: Inclusiveness and risks

執筆者 藤田 昌久  (所長) /浜口 伸明  (ファカルティフェロー)
発行日/NO. 2014年11月  14-E-066
研究プロジェクト 地域経済の復興と成長の戦略に関する研究
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概要

サプライチェーンの国際化は新たな集積と分散の連鎖をもたらしている。本社機能が先進国の大都市に集中する一方で、労働集約的な生産機能は発展途上国に分散し、後者では国内で産業集積が進んでいる。国際サプライチェーンは生産性を高め人的資源のより効率的な利用が進むことによって厚生水準の向上をもたらす。より多くの地域をカバーする包摂的なグローバリゼーションにもつながるだろう。

しかし、そのような便益に対して、不安定性が高まることが潜在的なコストとなる。不安定性、大災害に起因する局所的な供給ショックと最終需要の変動の両方が源泉になりうる。東アジアに関する事例研究を通じてこれらの点を明らかにする。



概要(英語)

Supply chain internationalization is promoting a new cascade of agglomeration and dispersion. Headquarter tasks agglomerate in major cities in developed countries, while labor intensive tasks are shed to developing countries where offshored tasks form into a geographical concentration. As a whole, international supply chains are productivity and welfare enhancing through their more efficient use of human resources. This magnifies the cost of volatility. A case study on East Asia illustrates these points.