プログラム:地域経済

経済集積理論に基づく地域経済の定量分析手法の開発

プロジェクトリーダー/サブリーダー

森 知也顔写真

森 知也 (ファカルティフェロー)

リーダー

プロジェクト概要

本プロジェクトでは、一国経済など広範囲な地域での都市群形成、及び、都市内空間での都心形成など、対象地域の空間スケールに応じた経済集積理論を多地点立地空間の下で再構築し、基本的な理論的性質を導く。さらに、それらを反映した統計予測モデル、及び、構造モデルを用いた実証分析・反実仮想実験・将来予測についての系統的な枠組を構築する。理論分析においては、離散フーリエ変換・ポテンシャルゲーム理論を用いることにより、従来得られなかった、都市システム構造、及び、個々の都市内における都心・居住郊外構造に関する一般的性質を明らかにする。数値解析においては、計算分岐理論や、メリット関数法など応用数学の知見を活かした安定均衡のモンテカルロシミュレーションを行うことにより、実経済におけるこれらの構造を、複数均衡の共通の性質として再現する他、複数均衡下で確率的な反実仮想実験、及び、将来予測を可能にする。

具体的には、多地点経済集積理論を用いることで、従来の定量空間経済学によって殆ど再現できなかった、実経済における都市の規模・空間分布の大部分を再現できることを実証する。特に、実経済においては、個々の都市の規模や産業構造が大きく変動する一方で、都市規模・産業構造・空間分布は極めて安定的で、冪乗則を伴う空間的フラクタル構造が、動的平衡として保持されていることが複数の国で確認されている。この事実を、構造モデルによって、安定均衡の一般的な性質として再現したうえで、リニア新幹線整備や、COVID-19流行により加速したリモート通信技術の進歩など、交通・通信アクセスの向上を始めとする近年関心を集める環境変化の、個々の都市の成長・衰退への影響を定量評価する。

統計予測モデル分析では、従来の因果関係の識別を目的とした回帰分析ではなく、空間統計や最近のデータサイエンスの知見を取り入れて、実証された都市・産業の空間分布における規則性や比較静学の結果などを推定に反映した、将来予測を主目的とした統計モデルの構築を試みる。

プロジェクト期間: 2022年6月 7日 〜 2025年5月31日

(上記プロジェクト期間のうち、研究活動期間は2022年6月7日 〜 2024年11月30日とし、データ利用報告期間は2024年12月1日 〜 2025年5月31日とする)