プロジェクト概要
本研究の目的は、FTAの日本経済への影響を分析し、日本政府によるFTA政策の構築および実施において有益な情報を提供することである。FTAの経済への影響について、事前および事後分析という形で行う。事前分析では、FTAが発効する以前に、FTAにより生じる関税削減などの政策変化の影響について一般均衡モデルのような経済モデルを用いて、シミュレーションを行うことで分析する。具体的には、現在交渉中の環太平洋経済連携協定(TPP)、東アジア地域包括的経済連携協定(RCEP)などの日本経済への影響について分析する。
事後分析では、FTA発効後に実際に観察された統計を用いて、FTAの経済効果を分析する。具体的には、FTAによる関税削減が貿易に与えた影響を明らかにする。事後分析は2段階で分析を進める予定である。第1段階では、FTAによるFTA相手国の財市場およびサービス貿易市場の開放状況を分析する。第2段階では、第1段階の情報を用いて、FTAの財貿易およびサービス貿易への影響を実証的に分析する。
プロジェクト期間: 2013年6月11日 〜 2015年3月31日
主要成果物
2015年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 16-E-003
"Estimating the Impacts of FTA on Foreign Trade: An analysis of extensive and intensive trade margins for the Japan-Mexico FTA" (KUNO Arata, URATA Shujiro and YOKOTA Kazuhiko) - 15-E-104
"Impacts of Japan's FTAs on Trade: The cases of FTAs with Malaysia, Thailand, and Indonesia" (ANDO Mitsuyo and URATA Shujiro) - 15-E-066
"Impacts of FTAs and BITs on the Locational Choice of Foreign Direct Investment: The case of Japanese firms" (URATA Shujiro)