政策シンポジウム他

動きはじめたビジネス支援図書館~図書館で広がるビジネスチャンス~

イベント概要

  • 日時:2002年9月23日(月・祝)13:00~18:00(開場12:15)
  • 会場:一橋記念講堂 東京都千代田区一ツ橋2丁目1番2号 学術総合センター2階
  • 開会挨拶

    森崎 弘 (電気通信大学教授/シンポジウム実行委員長)

    電気通信大学の森崎です。実行委員会の代表ということで、一言ご挨拶を申し上げます。私は電気通信大学で7、8年前ぐらいからベンチャービジネス関係の事業を担当しておりますが、学生の反応を見てみますと、ここ数年随分様子が変わってきました。一昔前は大企業に行くというのが自分たちに与えられた、ひとつの筋道であるというように考えていた学生がほとんどであったわけですが、最近は随分変わってきていまして、大企業にいくにしてもチャレンジ精神を持って、自分の実力をつけたら将来は自分で起業したい、ということをはっきりいう学生も増えております。そういうことで大いに期待しているのですけれども、実は多少の不安もあります。そういう学生がそういう意識をずっと持ち続けて、たとえば10年後その意識を持ち続けていてくれるかどうか、ということが心配です。もうひとつはそういう学生が大学を出て会社に入ったときに、たとえば情報収集をしたり、あるいは自分のノウハウを研鑚する場というのが、全く欠けているような気がしています。それと、大学ばかりではなく、最近私は、起業家育成フォーラムというような形、多摩起業家育成フォーラムというような任意団体を作って若い起業家を育成するということに少し力を注いでいるのですけれども、そういったところで、たとえば、ビジネスプラン作成セミナーというようなセミナーを開催しますと、若い人からお年寄りまで非常にたくさんの方が熱心に参加されます。そういう方を見ていると、自分の持っているものを生かして、新しいことをやってみたい、そういう意識の非常に高い方がたくさんおられるのだということを感じます。そのような意味で、そういう人たちをサポートするような仕組みも是非必要ではないかと感じているわけです。

    今回のシンポジウムの主題であるビジネス支援図書館というのは正に、そのような潜在的な需要に応えるためのひとつの取り組みではないかと理解しているわけです。図書館については、大学の図書館というものをわれわれは非常によく利用するわけですけれども、それは主に文献の検索というようなはっきりした目的があるわけですが、それ以外にわれわれは週末に、たとえば、公共の図書館、地元の図書館に足を運ぶことがあるのですけれども、そのときには軽い読み物ですとか、CDを借りるとか、そういったことに主に利用していて、専門書を探すということはほとんどしないわけです。それは、そこにそういう情報が多分ないだろうというような、そういった期待を持っていないということが暗にあるわけで、もし逆に、そういうある程度の情報が集まっているところがあると、われわれはそういう情報を求めて積極的に行くということになると思います。昨年度、ビジネス支援図書館の推進協議会に私も参加させていただいて、浦安市立図書館にもお邪魔してお話を伺って驚いたのですけれども、あちらの図書館では、利用されている大人の方が非常に多い。とりわけ仕事がらみで図書館を利用するという方が非常に多いということを聞いて驚いたわけですが、やはりそういうところに非常に情報が集まっている、ということがよく知れ渡っている。そういうことでそこに人が集まるのだろうと思います。

    今日はこれからビジネス支援に特化した図書館には何が必要か、そういった議論が非常に積極的になされていくと思うのですけれども、幸い日頃からビジネス支援図書館の推進に尽力されている講師の方が全国からたくさんおみえになって、いろいろなお話をしてくださいますので、非常に有意義な会になると期待しています。本日は、このテーマについて一緒に皆で考え、学び、そういうことを通してビジネス支援図書館というものの起爆剤にしていきたいと思っていますので、最後までどうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。