世界金融危機後の成長戦略

生産性向上は経済成長の主要な源泉です。特に、少子高齢化が進む日本経済にとって、生産性向上は最重要課題となっています。経済成長率を高めるのに有効な政策を立案するためには、産業・企業の生産性の実態を正確に把握するとともに、ITの活用、イノベーション、グローバル化、無形資産投資などが生産性に及ぼす効果を解明することが必要です。

World KLEMSイニシアチブは、生産性を国際比較できる国際的なデータベースを構築するための世界的な取組みで、ハーバード大学のジョルゲンソン教授を中心に、世界各国の一流の経済学者たちが参画しています。第1回、第2回コンファレンスは米国ハーバード大学で開催されました。今般、RIETIのホストにより、日本で第3回コンファレンスを開催することとなりました。

本シンポジウムでは、「世界金融危機後の成長戦略」をテーマに幅広い視点から議論を展開します。前半は、ジョルゲンソン教授から World KLEMSイニシアチブについて、RIETI所長の藤田昌久からアジア太平洋地域における空間経済の変容と成長戦略について、基調講演を行います。後半のパネルディスカッションでは、日本、アジア、欧米の代表的な経済学者により、1)今後の世界経済における持続的な生産性の向上の可能性、2)成長を促す構造改革（拠点再配置、貿易構造の変化、無形資産投資、サービス部門の生産性など）、3)持続的な成長へのリスク要因（世界経済での金融の安定性、政府財政赤字、新興国の不安定性、エネルギー需要など）について、議論を行います。

シンポジウム終了後には、日本生産性本部の協力により、交流会も開催します。