開催案内
本国際コンファレンスは2009年10月2~4日の3日間にわたり開催されますが、本サイトでは、10月2日午後のシンポジウムセッションのみご案内しています。その他のセッションの情報もご覧になりたい方は、一橋大学CAED2009公式サイト(英語)をご覧下さい。
21世紀に入り、工業化を通して先進国の仲間入りを図る国が続々と現われています。一方で従来の先進国は、米国を発端とする金融破綻やGMの破綻に象徴されるように、これまでの成長基盤やリーディング産業を失いつつあります。まさに先進国は、産業構造の転換を通した新たな産業の創出なしには、これまでの生活水準を維持することが難しい状況に立たされています。
2000年代前半、日本は製造業分野での輸出を中心に一定の経済成長を維持してきましたが、今回の世界不況で先進国中最大の景気の落ち込みを経験したことからもわかるように、少数の産業に依拠しながら経済成長を維持することは、非常にリスクを伴う不安定な戦略であることが露呈しました。
このため少子高齢化が進む日本では、幅広い産業にわたって、生産性を向上させなくてはなりません。製造業の分野では、研究開発投資がイノベーションをもたらす重要な投入要素として認識されてきましたが、サービス業も含む幅広いイノベーションの実現には、研究開発を包含するより広範な無形資産の活用が望まれます。そこには企業組織の改編や人的資本の向上なども企業パフォーマンスを向上させる重要な要因として含まれます。
本シンポジウムでは、Conference BoardのCarol Corrado氏、米国センサス局のRon Jarmin氏、Eric Bartelsman Free University (Vrije Universiteit), Amsterdam教授、Keun Leeソウル国立大学教授など無形資産投資や企業分析に関わる第1線の研究者を招き、無形資産の概念とその計測、企業パフォーマンスへの貢献などを包括的に議論します。その上で政策担当者や実務家を交えて、無形資産の政策への適用や企業経営への応用などについても議論し、これからの企業経営や経済政策の在り方を探る機会にしたいと考えております。
イベント概要
シンポジウムセッション「無形資産の役割と企業パフォーマンスの向上」
- 日時:2009年10月2日 (金) 14:25-18:30
- 会場:一橋記念講堂 [PDF:132KB](東京都千代田区一ツ橋2丁目1番2号 学術総合センター内)
- 開催言語:日本語⇔英語(同時通訳あり)
- 参加費:無料
- 主催:独立行政法人経済産業研究所(RIETI)
一橋大学グローバルCOEプログラム「社会科学の高度統計・実証分析拠点構築」(Hi-Stat) - 協賛:学習院大学経済経営研究所
- お問合せ:RIETI 加瀬 Tel: 03-3501-8398
※シンポジウム終了後、インターネットにて当日の模様の一部をビデオ映像でご紹介(動画配信)する予定です。また資料も後日、本サイトからダウンロードしていただけます。
プログラム
14:25 - 14:30 開会挨拶
長岡 貞男 (RIETI研究主幹・ファカルティフェロー/一橋大学イノベーション研究センター教授)
14:30 - 16:20 基調講演
司会:深尾 京司 (RIETIファカルティフェロー/一橋大学経済研究所教授)
14:30 - 15:00 基調講演1 「店舗及び企業データを利用したビジネスロケーション分析から何を学べるか?」
Ron JARMIN (Chief Economist, U.S. Census Bureau)
15:00 - 15:30 基調講演2 「無形資産のブラックボックス-企業に埋もれたデータを捕まえろ!」
Carol CORRADO (Senior Advisor and Research Director, Economics, The Conference Board)
15:30 - 16:00 基調講演3 「無形資産投資の計測と生産性向上への役割」
宮川 努 (RIETIファカルティフェロー/学習院大学副学長)
16:00 - 16:20 Q&A
16:20 - 16:35 コーヒーブレイク
16:35 - 18:25 パネル・ディスカッション「グローバル化やイノベーションに対応した企業組織を探る」
司会:宮川 努 (RIETIファカルティフェロー/学習院大学副学長)
パネリスト:(苗字アルファベッ ト順)
Eric BARTELSMAN (Professor, Faculty of Economic Sciences, Business Administration and Econometrics, Free University [Vrije Universiteit], Amsterdam)
Keun LEE (Professor, Economic Department, Seoul National University)
西村 淸彦 (日本銀行副総裁)
大川 幸弘 (サービス産業生産性協議会事務局次長 / (財)日本生産性本部参事・経営開発部長)
東條 吉朗 (経済産業省商務情報政策局情報処理振興課長)
16:35 - 18:05 ディスカッション
論題1:IT革命以降の米国のビジネス・モデルは成功だったのか?
論題2:アジアの国々のビジネス・モデルはイノベーションやグローバル化に対応できているか?
論題3:ビジネス・モデルや企業パフォーマンスを計測する適切なmeasureは何か?またそのためのデータ整備はできているのか?
論題4:金融危機のために現在各国がとっている政策は、企業の生産性向上を通じた長期的な世界経済の再構築にとって有益となっているか?
18:05 - 18:25 Q&A
18:25 - 18:30 閉会挨拶
及川 耕造 (RIETI理事長)
18:30 - 20:00 交流会(立食)
*上記プログラムの講演内容および講演者は状況により変更することがありますのでご了承下さい。