開催案内
コーポレート・ガバナンス論において、「会社は誰のものか」という切り口での議論が盛んに行われてきましたが、今後は、企業活動に不可欠の資源の拠出者(人的資本の拠出者としての経営者・従業員と物的資本の拠出者としての株主・債権者)の間の「最適な動機付けの仕組みは何か」という議論が必要です。法制度は、このような動機付け交渉に影響を与える重要なインフラの1つですが、多くの分野に分かれ、インセンティブ構造としての「企業法」という観点から統一的に捉えようとした試みはこれまで行われてきませんでした。本セミナーでは、会社法、金融商品取引法、倒産法、労働法、租税法を主たる検討対象とし、内外の各分野の専門家を結集して議論した成果を踏まえ、企業法の全体像に迫っていきます。
企業活動に影響を与え得る立法は、従来当然とされてきたように、法分野ごとに、相互の関連を考えずに行われるべきものではなく、異なった法分野間の相互補完性を考慮して、統一的な視点をもって行う必要があることを提言します。
皆様のご参加をお待ちしております。
イベント概要
- 日時:2009年2月5日 (木) 13:00~18:25
- 会場:RIETI国際セミナー室 (東京都千代田区霞が関1丁目3番1号 経済産業省別館11階1121)
- 言語:日本語 (同時通訳なし)
- 参加費:1000円 [公印を捺印した領収書を発行いたします]
(学生証提示の場合は500円) - 主催:独立行政法人経済産業研究所 (RIETI)
- お問合せ:RIETI 岡本 TEL: 03-3501-8398 FAX: 03-3501-8416
※セミナー終了後、資料を本サイトからダウンロードしていただけます。
プログラム
司会進行:宍戸 善一 (RIETIファカルティフェロー/成蹊大学法科大学院教授)
13:00 - 13:05 開会挨拶
及川 耕造 (RIETI理事長)
13:05 - 13:45 総論「企業における動機付け交渉と契約・市場・法の相互補完性」
宍戸 善一 (RIETIファカルティフェロー/成蹊大学法科大学院教授)
13:45 - 13:55 コメント
伊藤 秀史 (一橋大学大学院商学研究科教授)
13:55 - 14:25 プレゼンテーション1「株式持合と利益供与禁止規定」
加藤 貴仁 (神戸大学大学院法学研究科准教授)
14:25 - 14:35 コメント
宮島 英昭 (RIETIファカルティフェロー/早稲田大学商学学術院教授・グローバルCOE 企業法制と法創造総合研究所副所長/早稲田大学高等研究所副所長)
14:35 - 14:55 Q&A
14:55 - 15:10 休憩
15:10 - 15:40 プレゼンテーション2「大量保有報告制度の派生効果と機能不全」
大崎 貞和 (野村総合研究所研究創発センター主席研究員)
15:40 - 15:50 コメント
柳川 範之 (東京大学大学院経済学研究科准教授)
15:50 - 16:20 プレゼンテーション3「解雇権濫用法理のインセンティブ効果と派生効果」
十市 崇 (アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー弁護士)
16:20 - 16:30 コメント
山川 隆一 (慶応大学法科大学院教授)
16:30 - 16:50 Q&A
16:50 - 17:05 休憩
17:05 - 18:25 ラウンドテーブルディスカッション
チェア:宍戸 善一 (RIETIファカルティフェロー/成蹊大学法科大学院教授)
17:05 - 17:20 プレゼンテーション「法制度と市場環境の補完性」
中原 裕彦 (経済産業省経済産業政策局知的財産政策室室長)
17:20 - 18:25 ディスカッション
*上記プログラムの講演内容及び講演者は状況により変更することがありますのでご了承下さい。