「電子政府」の死角:投稿意見

泉田 裕彦
客員研究員

フリーソフトを利用した電子政府の構築

千葉県 匿名希望

電子政府の構築には、膨大なソフトが必要なようですが、次のような工夫を行うことができれば、ユーザ(官庁)も国民(利用者でもあり、税金で費用を負担する者でもある)もメリットがあるでしょう。
1)官庁の共通の業務をフリーソフトにする:
例えば、給与計算、予算、経理(財務会計;予算とそれに基づく種々の支出)、官庁のWWW、メール、ファイル共有、入札などは、ベースとなるソフトを1つだけ作り、これを各官庁が複写し、必要なら改善して使用するということにする。
ベースとなるソフトは、お金を払って開発するが、発注条件として、発注側で納入後の改変と複写利用を条件とすればよい。勿論、ベースとなるソフトの発注時に、改善や変更がしやすい仕様書とソフトの書き方を条件とするテクニカルな工夫は必要ですがね。これにより、最初の開発者(社)以外でも、改変可能となるでしょう。
2)官庁間でこのようなことが実現できる協力体制を作ってすすめれば良い。
3)官庁の情報システムの発注に当り、サブシステム間のインターフェースを明確にして、いくつかのシステムに分割して発注する。また、システムの運用も開発者(社)以外でも運用可能なように運用仕様を工夫する。これにより、各々特徴ある製品やフリーソフト(OSSも含む)を利用できるようにすると共に、特長のあるSIを育成できるという副産物も期待できることになるでしょう。

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