大学サッカー部の同期が代理大使でバグダッドに赴任中である。
最初のニュースで観念したが、本人ではなかった。彼とはそれから2週間連絡がとれなかった。遺族の対応や遺体を日本へ送る等の作業で不眠不休だったためだ。現地でスパイを放って情報収集すると、報道とは違ったかなり複雑な背景があるようだ。
彼は「ここで判断を間違えると取り返しのつかないことになる」と、自分の身の危険を顧みず身を粉にして働いている。なぜか? 彼らの頭の中には「政府」や「国家」ではなく、「日本国民」がある。果たして彼に危険を強いるだけの価値が国民である自分にあるのか? あれから自問する日々だ。そして自衛隊派遣の基本計画が発表された。彼の身がますます案じられる。