内容
国際市場の新たなプレイヤーとして存在感を増す中小製造業。しかし流動的で実態の捉えにくい中小製造業の分析は進んでいない。本書はその実態を捉えるため、新たな実証分析モデルを提示する。「安い輸入品に圧迫される中小製造業」といったイメージはグローバル化した現代においてはもはや当てはまらない。輸入品と共存し、国際市場への進出を企図する中小製造業の動向に迫った、さらなるグローバル時代を見通す新たな処方箋。
目次
序章 処方箋のための実証研究を目指して――本書の狙いと構成
第1章 東アジアからの輸入と国内企業の競合――中国・ASEAN諸国からの輸入が製造業に及ぼす影響
第2章 経済連携協定(EPA)は国内企業に何をもたらしたか――EPA締約国からの輸入が製造業に及ぼす影響
第3章 輸出の自己選択仮説――輸出開始事業所の特徴
第4章 輸出の学習効果――輸出開始と事業所の成長
第5章 分業と事業所の輸出――独立本社・複数事業所の設立と輸出開始の関係
第6章 輸出市場からの撤退――輸出撤退事業所の属性の分析
第7章 一層の経済のグローバル化に向けて――本書の分析から得られる政策的含意と企業への提言
補論1 本書で使用したデータについて
補論2 全要素生産性の推計方法について
補論3 本書で使用した変数について
謝辞
参考文献
索引