New-to-Market Product Innovation and Firm Performance: Evidence from a firm-level innovation survey in Japan

本稿では、わが国で実施されたイノベーション調査の企業レベルデータを用いて、民間企業によるプロダクト・イノベーションの経済的インパクトを評価した。特に革新的なプロダクト・イノベーション（市場にとって新しい製品・サービスの投入）に焦点を当てた上で、研究開発費、プロダクト・イノベーションのアウトカム、企業のパフォーマンス、技術的波及効果が内生的に決定される形で計量モデルを構築して定量的な分析を行った。分析の結果、革新的なプロダクト・イノベーションは既存の製品・サービスとの競争に晒されにくく、企業に高い売上高をもたらす点、大学や他の高等教育機関との連携を行う企業に革新的なプロダクト・イノベーションを実現する傾向が高いことが分かった。また革新的なプロダクト・イノベーションは、オープンソースや共同研究組合（コンソーシアム）への参加を通じて正の技術的波及効果を生み出すことも明らかにされた。

This paper evaluates the economic impact of new-to-market product innovation using firm-level data obtained from the Japanese National Innovation Survey. It accounts for possible technological spillovers in innovation activities and examines the extent to which new-to-market product innovation contributes to firm performance. The paper offers several new insights on product innovation.