プロジェクト概要
デジタル技術の発達で労働市場の摩擦は低下し、少子化も加わって労働市場はより競争的になりつつある。そこに、人的資本情報の開示義務が加わることで、企業による囲い込みを前提とした人材マネジメント戦略は、人的資本情報の開示を通じた人材獲得競争戦略へと変容するだろう。また、かっては企業特殊的人的資本の蓄積を促す効果的な仕組みとみられていた、集権的人事、年功的処遇、遅い昇進といった日本的経営の諸要素は、キャリア自律を阻害する元凶として弊害が指摘されつつある。加えて、競争激化とIT技術の発達を背景に、より臨機応変なリソース再配分やコーディネーションを可能にする経営陣構成への変化も求められている。
こうした環境変化の中で、政府や企業に求められる政策や施策は何か、既に改革を行っている企業においてどのような効果が見られるか。こうした観点から、人的資本投資、内部労働市場改革、経営の質、ダイバーシティといったテーマを中心に以下の11のテーマで研究を実施する。
① デジタルリスキリング:学び直しのインセンティブ、② デジタル研修の投資収益率の測定、③ 経営者の行動、経営メンバー育成施策と企業業績、④ 分権的異動配置の役割と課題、⑤ 知識労働者チームにおけるコーディネーション、⑥ キャリアの自律性、⑦ 性格とキャリア向上、⑧ スポーツにおけるアファーマティブ・アクションの効果、⑨ 合併後のPMI(post merger integration)における評価バイアス、⑩ 外的ショックや育児休業の増加が人材異動に与えた影響、⑪ 職場における社交の重要性
プロジェクト期間: 2024年11月11日 〜 2027年4月30日
(上記プロジェクト期間のうち、研究活動期間は 2024年11月11日 〜 2026年10月31日とし、データ利用報告期間は2026年11月1日 〜 2027年4月30日とする )