プログラム:特定研究

産業政策の歴史的評価

プロジェクトリーダー/サブリーダー

岡崎 哲二顔写真

岡崎 哲二 (ファカルティフェロー)

リーダー

プロジェクト概要

通商産業省および経済産業省が立案・実施してきた主要な産業政策について、経済分析と歴史研究のアプローチを統合してその定量的評価を行う。具体的なプロジェクトとしては、第一に、小規模企業を対象とした政策金融を取り上げる。長い歴史を持つ小企業向けの政策金融制度として「小規模事業者経営改善資金」(マル経融資)がある。1973年に発足したこの制度は商工会議所等の経営指導と推薦をもとに国民金融公庫(日本政策金融公庫)が無担保・無保証で小企業等に経営改善資金を低利融資するものである。特に借入れ制約が大きいと考えられる小企業等を対象としていることから、この制度は借入れ制約を緩和することを通じて小企業との経営改善と成長に寄与する可能性を持っている。本プロジェクトではマル経融資に関するマイクロ・データを利用して、この可能性を検証する。第二に1960年代に実施された地域開発政策を取り上げる。1962年に閣議決定された全国総合開発計画とそれに基づく新産業都市建設促進法(1962年)、工業整備特別地域整備促進法(1964年)は、産業の空間配置を政策的に変更する大規模な試みであり、政策決定にあたって地方自治体や政治家からのさまざまなインプットが行われたこともあって、産業政策研究だけでなく、経済史、空間経済学、政治経済学の視点からも興味深い対象といえる。本プロジェクトでは体系的な市町村別・産業別統計データを、歴史的情報と統合することを通じて全国総合開発計画と新産都市等、関連する政策の歴史的評価を試みる。

プロジェクト期間: 2018年10月 9日 〜 2020年9月30日

主要成果物

2020年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー