プログラム:地域経済

消費者としての都市の魅力と都市政策

プロジェクトリーダー/サブリーダー

中島 賢太郎顔写真

中島 賢太郎 (ファカルティフェロー)

リーダー

プロジェクト概要

都市のメリットについて、既存の都市経済学、特に実証研究においては生産面のメリットとしての集積の経済の研究に重きが置かれてきた。一方で、都市はその住人に対し、生産活動(就労)機会の提供のみならず、多様な消費やアメニティへのアクセスを提供している。しかし、都市住人の社会・経済活動に関する包括的なデータの欠落から、生産・就労以外の都市のメリットに関する実証的な分析は進んでいない。本研究プロジェクトでは、これまで欠落していた都市住人の消費やアメニティへのアクセスがもたらす都市集積のメリットについて実証的に検証することを目的とする。本プロジェクトでは具体的に2つの研究を進める。1つめは携帯電話に搭載されたGPSによる位置情報による都市住人の移動データを用いた分析である。これまでデータの欠落によって困難であった、都市住人の通勤以外の移動行動を把握することで、ショッピング等、都市内の人々の多様な移動行動需要を実証的に把握・モデル化し、都市政策(交通インフラ、ゾーニング等)の経済厚生評価を行う。2つめはこのような都市集積の活用のための土地利用規制のあり方についての研究である。土地利用規制は都市の混雑緩和のために導入されているが、それは集積の経済を損なうという効果ももたらす。最適な土地利用規制の設計のためには、規制の費用と便益の正確な測定が必要である。本研究では、土地利用規制の費用についての推定を行う。

プロジェクト期間: 2020年10月 1日 〜 2022年9月30日

主要成果物

2021年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー