プロジェクト概要
日本のイノベーションシステムは大企業中心の自前主義が特徴といわれてきたが、技術革新の進展やグローバル競争の激化などに伴って、外部連携をとりいれたオープンイノベーションの重要性が高まっている。しかしながら、欧米企業と比較して、日本企業のオープンイノベーションに対する取り組みは遅れているとも言われている。しかし一方で、RIETI新商品アンケート調査によると日本企業においては、顧客やサプライヤーなどのビジネスパートナーとの間でイノベーションに関する協業が活発に行われていることが分かった。チェスボローなどの欧米の研究者が提唱するオープンイノベーションは、知財やノウハウが技術市場を通じて取引されることが想定されているが、これとは異なる日本型のオープンイノベーションの存在を示唆している。ここでは、実証研究による国際比較を通じて日本のイノベーションシステムの特徴を踏まえたオープンイノベーションの在り方について検討を行い、その上で日本の科学技術イノベーション政策(公的研究開発投資、知財政策、産学連携政策、ベンチャー政策など)の実効性について点検を行う。
プロジェクト期間: 2013年4月 2日 〜 2015年3月31日
主要成果物
2015年度の成果
RIETIディスカッション・ペーパー
- 15-E-065
"How Institutional Arrangements in the National Innovation System Affect Industrial Competitiveness: A study of Japan and the United States with multiagent simulation" (KWON Seokbeom and MOTOHASHI Kazuyuki) - 15-E-064
"Understanding Two Types of Technological Diversity and their Effects on the Technological Value of Outcomes from Bilateral Inter-firm R&D Alliances" (HUO Dong and MOTOHASHI Kazuyuki)