プログラム:国際マクロ

公的債務とデフレを中心としたマクロ経済政策の分析

プロジェクトリーダー/サブリーダー

小林 慶一郎 顔写真

小林 慶一郎 (ファカルティフェロー)

リーダー

プロジェクト概要

安倍政権での金融緩和による円安と株高が進んだことで、あらためてデフレ脱却のメカニズムに注目が集まっている。一方、財政政策の拡大により、日本の公的債務についての懸念はさらに深刻なものとなっている。

公的債務の長期的な膨張と長期的なデフレの持続という、日本が直面するマクロ経済政策上の問題は、通常の経済理論では説明することは困難であり、チャレンジングな分析テーマである。

研究内容としては、まず公的債務の膨張と経済成長率の低下の関係を分析する。公的債務と経済成長を関連付けるいくつかの理論仮説があるが、1つは「公的債務が増えると政府による政策へのコミットメントが弱まり、結果的に経済成長に悪影響を与える」という政治経済モデル(Acemogluなど)である。もう1つは、信用制約のある経済モデルであり、そこではリカードの中立性が成立しないことから、公的債務の膨張が経済成長に悪影響を与えることが予想される。これらの理論仮説についての検討を足掛かりに、財政問題、経済成長、デフレの関係を分析し、政策的なインプリケーションを考察する。

プロジェクト期間: 2013年4月 1日 〜 2015年3月31日

主要成果物

2014年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー