プログラム:貿易投資

通商協定の経済学的分析

プロジェクトリーダー/サブリーダー

佐藤 仁志 顔写真

佐藤 仁志 (研究員)

リーダー

プロジェクト概要

WTOドーハ・ラウンドの交渉失敗に象徴されるように多国間貿易自由化交渉は行き詰まりを見せ、代わって地域協定による貿易自由化が主流となっている。こうした貿易自由化交渉の大きな変化は2つの大きな政策的な課題を生んでいるように思われる。1つは地域協定の隆盛を前提として多国間通商システムをどのように位置づけていくべきかという点であり、もう1つは交渉分野の多様化に伴い貿易自由化のメリットが分かりにくくなっているのではないかという点である(たとえば日本のTPP交渉参加の議論)。

本研究会はこのような政策上の課題を踏まえ、通商協定に関連した事項を経済学的に分析することを目的とする。通商協定に関する経済分析についても多くの先行研究の蓄積があり、通商協定の経済学的な意義やその効果などが明らかにされてきている。しかし、財貿易に分析の主眼をおいたものが多く、直接投資、海外アウトソーシング、サービス分野の貿易などのように近年注目を集めている経済活動に対して通商協定がどのような役割を果たすのかについては必ずしも分析が十分ではない。また、(財の貿易も含め)理論に比べて実証分析の蓄積もまだ少ない。本研究会では、こうした分野も研究対象として取り上げていくこととしたい。本プロジェクトの研究は以下のような課題から構成する。

(1)特恵貿易協定と海外直接投資に関する分析
(2)外資規制緩和等の直接投資環境の改善と個別企業への影響の分析
(3)FTAとサービス企業の活動に関する分析
(4)EPA effect on trade: investigating the effect of non-tariff liberalization
(5)EPAによって生じる生産要素移動とその影響の分析
(6)MFNフリーライドの実証分析

プロジェクト期間: 2012年5月29日 〜 2013年9月30日

主要成果物

2014年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー

2013年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー