プロジェクト概要
2010年度
輸出、対外直接投資等の企業活動の国際化は、海外市場からの技術や知識の吸収を通じて企業に新製品開発や技術革新等のイノベーションの機会を提供すると考えられる。一方で対内直接投資は、外国企業の資本参加や外資企業から周辺の国内企業への波及効果という別の経路から国内企業が海外の技術や知識を得る機会を提供する。こうした企業活動の国際化と、対内直接投資という「内なる国際化」がイノベーションを促進する効果の検証は、近年もっとも旺盛な研究が進められているテーマである。他方、両者が企業のイノベーションを補完的に促進するのか、あるいはこれと代替的な関係にあるのか、という重要な論点について分析が及んでいない。この調査研究は日本および海外のデータを用いてこうした点を解明し、対内直接投資政策について新しい意味付けを提供する他、中小企業を含む幅広い日本企業の国際化を通じたイノベーションを内外一体的に促進する経済政策に対する示唆を導出する。
プロジェクト期間: 2010年7月 1日 〜 2011年3月15日