政策研究領域(基盤政策研究領域) I. 少子高齢化社会における経済活力の維持

活力ある日本経済社会の構築のための基礎的研究:複雑系の観点から

プロジェクトリーダー/サブリーダー

西村 和雄 顔写真

西村 和雄 (ファカルティフェロー)

リーダー

プロジェクト概要

2010年度

経済、社会保障、医療、教育、雇用などあらゆる分野で、日本的な制度が行き詰まりを見せている。対症療法的な対応策では、費用がかかるが、効果が少ない。

日本の経済・社会を複雑系として捉えるなら、現象の背後に本質的な与件が隠れていることに気付く。本質的な与件を変えることで、システムが生みだすダイナミックな動きを改善することができるはずである。

本プロジェクトでは、カオスに代表される非線形動学の手法を応用しながら、ミクロからマクロまでの経済的問題についての、複雑系を応用した理論研究を行う。

本プロジェクトでは、問題に取り組むに当たり、特に以下の二点に注目する。第一点は「多数経済主体からなる経済の成長と安定化に対する影響」、第二点「人的資本が意思決定および経済成長に与える影響」である。

第一点に関しては、景気循環の国際的連関に関する基礎的な分析を行い、多数の国の間に外部性を通じた相互依存関係がある場合について、貿易を通じた国際連関を分析することである。

第二点については、人的資本に注目し、これらの要素が経済成長や景気循環において果たす役割を分析する。特に、教育の果たす役割について分析し、望ましい教育制度のあり方について議論する。また、ミクロ的レベルでは、経済主体の認知のあり方が、学習や意思決定にどのような影響を与えるかについて、個人の脳活動計測を含めた神経経済学的な分析を行う。

プロジェクト期間: 2010年10月25日 〜 2011年3月31日

主要成果物

2010年度の成果

RIETIディスカッション・ペーパー