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IMF世界・アジア太平洋地域経済見通し:パンデミック下の回復-健康上の懸念、供給混乱、物価圧力

開催案内

世界経済の回復は継続する一方、ワクチン接種状況や政策支援の規模の違いにより、各国間や各国内での経済回復の格差が拡大している。こうした中、供給不足と需要加速等を受けて一部の先進国・新興国でインフレ率の上昇が見られており、経済回復を支える政策支援の維持とインフレ抑制とのバランスをとるための政策的枠組みが求められている。各国の政策においては、感染や経済の状況に応じて保健関連支出の的を絞り、持続可能な雇用最大化など長期的な構造目標に重点を移しながら、グリーンテクノロジー、デジタル化などパンデミック後の諸課題への対処や、基礎科学や人的資本など生産性向上のための投資を進めることが重要である。また、ワクチンのアクセス向上、気候変動の緩和、国際流動性の確保等の課題のための国際協調が引き続き不可欠である。本講演では、IMFによる最新の「世界経済見通し(WEO)」の内容に基づき、世界・アジア太平洋地域の経済見通しや中期的な課題について紹介する。

イベント概要

  • 日時:2021年12月1日(水)
  • 開催言語:日本語
  • 主催:独立行政法人経済産業研究所(RIETI)

講演者・略歴(敬称略)

  • スピーカー:鷲見 周久(国際通貨基金(IMF)アジア太平洋地域事務所所長)

    2016年9月28日にIMFアジア太平洋地域事務所(OAP)所長に就任。IMF ワシントン本部ではアジア太平洋局(APD)等に7年間在籍し、その間、対フィリピン、シンガポール、ニュージーランドおよびフィジーIMF代表団を率いるなど、様々な国を担当した。また、同局の金融セクター・サーベイランス(監視)グループ代表を務め、2015年には"The Future of Asian Finance"を出版するなど、アジア金融の将来に関するプロジェクトを主導した。IMF着任前は、財務省副財務官、理財局国庫・国債担当審議官、金融庁総務企画局参事官など日本政府で要職を歴任した。財務省で国債管理政策を担当していた際には、徹底した市場との対話を通じ、金融市場参加者との友好的関係を築いた。東京大学法学部卒業、米ハーバード大学にてMBAを取得。

  • コメンテータ:中島 厚志(RIETIコンサルティングフェロー / 新潟県立大学国際経済学部教授)
  • モデレータ:佐分利 応貴(RIETI国際・広報ディレクター / 経済産業省大臣官房参事)